ロームの「Power Eco Family」が切り拓く未来
ローム株式会社(本社:京都市)は、エレクトロニクスの分野を通じて社会的な課題解決に向けて取り組んでいます。特に、大電力アプリケーションにおいて効率向上を図るため、パワー半導体の開発とソリューション提供に力を入れています。新たに立ち上げた「Power Eco Family」というブランドは、より持続可能で効率的なエコシステムを築くための重要な要素となっています。
電力活用の進化
近年、電気自動車やエナジーハーベスティングといった新しい技術が普及する中で、電力の利用が加速しています。それに伴い、各種アプリケーションにおけるパワーシステムには、効率化、小型化、さらに軽量化が求められています。このような背景から、パワー半導体には優れた性能が必要とされ、特に高速スイッチング性能や低い損失、高い放熱性が重要です。また、パワー半導体の活用領域も広がりを見せ、需要がますます高まっています。
ロームの先進技術
ロームは、世界で初めてSiC(シリコンカーバイド)を用いたMOSFETの量産に成功した企業であり、パワー半導体分野において豊富な経験と技術的知見を蓄積しています。また、新しい半導体材料として注目されているGaN(ガリウムナイトライド)に関しても量産体制を確立し、次世代の製品ラインを展開しています。これにより、ますます需要の高まるパワー半導体市場に対応し、新たな製品分野を開拓しています。
「Power Eco Family」の製品群
「Power Eco Family」は、以下の4つの製品群から成り立っています。
1.
EcoMOS™: シリコンのパワー半導体で、従来のアプリケーションに最適。
2.
EcoIGBT™: 高効率なインバータなどに使われる高耐圧デバイス。
3.
EcoSiC™: 超高耐圧かつ高速スイッチングを可能にしたSiCデバイス。
4.
EcoGaN™: 超高速スイッチングを求められるGaNデバイス。
図表1では、これらの製品が対応する電力容量と動作周波数の領域を示しています。これにより、さまざまなニーズに応えることが可能です。
エコシステムの構築へ
ロームは、これらの製品群を通じてアプリケーションの性能向上を促進し、持続可能なエコシステムの構築を目指しています。「Power Eco Family」の拡大により、未来のエネルギーシステムに貢献し、より効率的で環境に優しい社会の実現を目指しています。
おわりに
ロームの「Power Eco Family」は、パワー半導体技術の最前線を行くものでありその貢献は、持続可能なエネルギー使用の未来に向けた大きな一歩となります。これからのこの分野での進展に期待が高まります。