トヨクモと安否確認サービス2
トヨクモ株式会社は、法人向けクラウドサービスを提供する企業で、2025年9月1日に「安否確認サービス2」に関連する全国一斉訓練を行った。この訓練は、過去に例を見ない89万2,734名の参加を得て、地震などの大規模災害発生時におけるシステムの負荷検証の重要性を示すものとなった。
全国一斉訓練の目的
全国一斉訓練は、安否確認サービス2を利用する企業や団体を対象に、年に一度実施される実践的な訓練である。主な目的は、首都直下地震や南海トラフ地震といった大規模災害発生時に、システムに集中するアクセスが遅延なく処理されることを確認することだ。この訓練によって参加企業は、従業員の防災意識を高めるだけでなく、詳細なレポートを通じて自社の防災体制の向上にも役立てることができる。
訓練の結果
訓練は2025年9月1日11時から翌日の10時41分にかけて行われ、全体の回答率は81.2%という高い結果を残した。特に注目すべきは、回答時間の中央値が56.9分であり、これは各企業の応答スピードを示す重要な指標となっている。これにより、訓練後の結果は企業ごとに比較が可能で、自社の防災体制の強化へと繋がる可能性がある。
各社の結果と分析
参加した2,261社のデータからは、次のような具体的な数値が得られている。
| 指標 | 全社平均 | トヨクモの結果 |
|---|
| -- | -- | --- |
| 回答率 | 81.2% | 73.1% |
| 最頻値の回答時間 | 1.0 分 | 12.7 分 |
| 25パーセンタイルの回答時間 | 0.6 分 | 19.1 分 |
| 中央値の回答時間 | 7.7 分 | 56.9 分 |
| 75パーセンタイルの回答時間 | 61.5 分 | 144.0 分 |
各企業のデータを視覚的に比較することで、どの企業が素早く応答し、防災体制が整っているかを理解する手助けになる。
Good安否確認賞の設立
今年の訓練では特に優れた成果を収めた企業や団体を「Good安否確認賞」として表彰することが発表された。この制度は、BCP(事業継続計画)への関心を高めるもので、参加企業は回答率やスピードをもとに評価される。受賞者は2025年10月10日に発表される予定だ。
トヨクモ社長のコメント
トヨクモ株式会社の代表取締役社長である山本裕次氏は、89万人以上の参加者に感謝の意を表し、訓練の重要性を強調。大規模災害時にはシステムが安定して稼働し、信頼性が示されたことを嬉しく思っていると述べた。また、訓練の結果が各企業の防災体制の改善に繋がることを願っている。
安否確認サービス2について
安否確認サービス2は、約4000社が利用する法人向けの安否確認システムであり、迅速な事業復旧に向けた支援を行っている。このサービスは、安否の確認だけでなく、その後の情報共有や対策指示を可能にする機能も備えている。特に災害が発生した際に、企業が存続し続けるための重要な役割を果たす。
このような取り組みにより、トヨクモは今後もより多くの企業が信頼できる防災体制を構築できるようサポートを続けていく。さらに、若い世代を中心に防災意識をダイレクトに伝える施策も展開する予定である。