三条市立大学と株式会社コメリの初期連携
新潟県の三条市にある三条市立大学は、2021年に設立された日本有数のものづくり技術の集積地です。この大学は、地域の企業と連携して学生たちの実践的な学びを促進するためのプログラムを展開しています。その中でも特に注目されるのが「産学連携実習」です。このプログラムは、学生が実際の企業で働くことで、理論を実践に生かし、将来のキャリアに役立つスキルを身につけることを目的としています。
「産学連携実習II」への参加
株式会社コメリは、地域で暮らす人々の生活を支えるホームセンターとして知られています。新潟市に本社を置くこの会社は、地域のライフラインであり続けることを目指しています。そして、三条市立大学との協力により、約4カ月間にわたり学生たちにさまざまな業務体験を提供する「産学連携実習II」を実施しました。このプログラムには、約150社の地元企業が参加しており、産業界との結びつきが深いのが特徴です。
実習の内容
実習内容は多岐にわたり、学生は店舗での見学や実務に加え、商品開発や品質管理など、さまざまな領域を学びます。具体的には以下のような内容が含まれていました。
1.
店舗実習: 学生は店舗業務を体験し、品出しや棚割り補助、本社の業務と店舗業務の違いを学びました。特に、プライベートブランドとナショナルブランドの比較分析を行い、実際のデータを使った分析の重要性を感じ取ったようです。
2.
DX部実習: ここでは、業務の改善提案を行うことが主なテーマでした。学生は、データ分析を通じて問題点を抽出し、改善策を提案しました。
3.
商品開発部実習: 実際に商品を開発する過程に携わり、3Dプリンタを用いて実物を作成する体験をしました。市場調査を行いながら、流行の色やデザイン、そしてターゲットとする客層を考える重要性を学びました。
4.
品質管理部実習: 品質に関する法令や基準について学び、店舗での商品をみながらの授業が実施されました。実際の検品基準書を作成する中で、実践的なスキルを身につけました。
5.
営業企画部実習: プロモーション活動やデジタルメディアの活用法についての学びがありました。YouTube動画の構成制作を通じて、情報を発信する力も育まれました。
参加学生の声
学生たちは、実習を通じて多くの学びを得ており、特に「市場分析や商品の流れを理解することができた」といった声が多く寄せられました。工学部の深澤さんは、情報整理や発表スキルの向上を実感しており、齊藤さんはチームでの協力の大切さに気づいたと語っています。
産学連携実習の意義
このような産学連携の取り組みは、学生にとって貴重な経験となるだけでなく、地域の産業にも大きく寄与するものです。将来的に学生が地域経済に貢献し、ものづくりの現場で活躍するための糧になることが期待されます。三条市立大学と株式会社コメリの連携から生まれる新たな可能性に、今後も注目が集まります。