建設業における働き方改革の現状と課題についての調査結果
建設業における働き方改革の現状
最近、国土交通省が「適正な工期設定等による働き方改革の推進に関する調査(令和5年度)」の結果を発表しました。この調査は、建設業界の働き方改善を目的とするもので、工期設定などの実態について詳しく分析されています。
調査の概要
調査は、主に建設企業と発注者に対して行われました。対象となったのは、建設業法に基づく届出団体に所属する116団体の会員企業1,302社と、不動産や運輸・交通、住宅業界などの民間企業102社です。調査時点は2023年1月1日で、2022年12月以降の工事が対象です。
調査項目は多岐にわたり、工期設定における指導や受発注者間の協議、工期の適正性、休日の取得状況などが含まれています。
主な調査結果
休日の取得状況
調査において、休日の取得状況に関して「4週8休」の割合が技術者で21.2%、技能者で25.8%と改善されていることがわかりました。とはいえ、依然として最も多い回答は「4週6休程度」であることが示されています。
残業時間
技術者の月平均残業時間が「45時間以上」を超えている企業は14.9%、技能者は9.0%に上りました。調査時点では上限規制に対して猶予期間が設けられており、特別条項を超過した技術者がいる企業は17.2%、技能者は4.7%となっています。
工事に対する影響
物価高騰が工事に影響を及ぼした場合、建設企業の4割以上が「協議は依頼しない」「依頼しても応じてもらえない」と回答。たとえ協議ができたとしても、「全て契約変更が行われた」との回答は全体の2割程度に留まっていることがわかります。
課題と今後の展望
調査結果からは、働き方改革に向けた取り組みに一定の進展が見られたものの、依然として協議の場が十分に設けられていない状況が浮き彫りになりました。今後、建設業界全体でのさらなる働き方改革の推進が求められます。
国土交通省はこの調査結果をもとに、今後も政策の見直しや新たな施策を講じることが期待されます。また、企業自身の意識改革も併せて必要です。働く人々の生活の質を高めるため、建設業界の持続可能な発展に向けた取り組みが求められます。
詳細な調査結果は、国土交通省の公式ウェブサイトに掲載されています。