プロロジスの新しいESG報告が注目を集める
物流不動産業界のリーディングカンパニー、プロロジスが「2024-2025年 グローバル・インパクト&サステナビリティレポート」を発行しました。これは同社が全世界でのESG(環境・社会・ガバナンス)に関する取り組みをまとめた重要なドキュメントです。報告書の中では、同社が展開する20か国における様々なサステナビリティ施策が明らかにされています。
世界各国での取り組み
ドイツでは、プロロジスは地域の電力会社と協力し、複合的な太陽光発電システムを導入しています。このシステムは、カスタマーに電力を供給するだけでなく、地域にも貢献するものです。
オランダでは、自己修復型のコンクリート床を採用した物流施設があり、これはバクテリアの力でひび割れを修復するという革新的な技術です。この取り組みにより、環境負荷が低減されることが期待されています。
さらに、米国北テキサスでは、プロロジスによる最大のバッテリー蓄電施設が稼働しており、これにより2,400世帯以上に安定した電力を供給しています。南カリフォルニアでは、北米最大のEVトラック充電ハブを運営し、1日最大300台のトラックを充電することが可能です。
日本国内でも大きな社会貢献をしており、「プロロジスパーク猪名川1・2」に設けられた「防災広場」は地域社会の重要な災害対応拠点として機能しています。これは地域イベントや防災訓練などにも使用され、プロロジスのインフラが地域に根付いていることを示しています。
ネットゼロ達成に向けての努力
プロロジスは「2040年までにバリューチェーン全体での温室効果ガス排出量をネットゼロにする」という野心的な目標を設定しています。具体的には、再生可能エネルギーの導入や排出量削減に加え、サプライヤーとの連携も強化し、持続可能なビジネスモデルの構築を目指しています。また、2024年には2019年と比べて温室効果ガス総排出量を36%も削減しています。
クリーンエネルギーの拡大
世界中で電力需要が高まる中、プロロジスは持続可能なインフラとエネルギーソリューションの拡大に注力しています。今や、同社のグローバルポートフォリオの約4分の1、つまり約2,800万㎡が環境認証を取得しています。626メガワット以上の太陽光発電や蓄電容量は、米国の10万世帯以上に電力を供給できる能力を持っています。また、EV充電インフラについても過去1年で4倍の拡充を実現し、累計で1,600万km以上のEV車両走行距離を記録しています。
地域への貢献
プロロジスは持続可能な未来を築くために、地域社会への支援にも力を入れています。2024年には、530万ドル(約7.8億円)を地域支援プログラムに拠出しました。毎年開催される「IMPACT Day」では、従業員による1万4,000時間のボランティア活動が行われました。また、2025年1月に米国で発生した大規模火災の被災者支援のため、ロサンゼルスにおいて約1万1,100㎡の倉庫スペースを非営利団体に無償提供するなど、地域社会に貢献しています。
未来への展望
プロロジスは、持続可能な未来への貢献と世界規模でのインパクトを重視し、今後も事業活動を展開していくとのことです。同社の取り組みは、単なる経済活動に留まらず、環境と地域社会への理解と貢献を深めるグローバルなリーダーシップの象徴とも言えるでしょう。今後の活動に注目が集まります。