日報のAI活用に期待が高まるが、導入はわずか9% - 実態調査結果から見えた労務管理の課題
セブンセンスマーケティング株式会社は、日報を作成している全国のビジネスパーソン100名を対象に「日報に関する実態調査」を実施しました。この調査によると、2026年には生成AIの企業活用が加速するとされる中で、日報に対するAI活用の希望が88%に達しました。しかし、実際に専用の管理システムを導入している企業はわずか9%という結果になり、期待と現実のギャップが浮き彫りとなっています。さらに、日報作成にかかる時間の13%は、残業代が出ない「サービス残業」として費やされており、労務管理上見過ごせない実態も明らかになりました。
調査結果の概要
- - AI活用に前向きな割合: 最大88%がAI活用に前向き(42%は「積極的に使いたい」、46%は「便利なら使いたい」)
- - 提出方法: 日報の提出方法は「Excel・紙」が64%で、専用の日報アプリ・システムはわずか9%にとどまる
- - 業務時間外の作成: 日報作成の38%が業務時間外で行われ、そのうち13%は「サービス残業」
- - 管理者の満足度: 日報を管理する立場の人は満足度ゼロ。全員が何らかの課題を抱える
AI活用に前向きな意向
調査結果では、日報作成や管理にAIを活用したいと考えているビジネスパーソンが88%という高い割合を示しています。そのうち42%は「積極的に使いたい」、46%は「便利なら使いたい」と回答しました。さらに、どの部分にAIを使いたいかという質問に対して、「振り返りや気づきの補助」として70%の回答があり、業務内容の記録・まとめが57%という結果でした。これは、AIに全てを任せるのではなく、日報を書く過程での思考をサポートしてほしいというニーズが反映されています。
提出方法の実態
日報の提出方法については、最も多く見られたのは「Excelやスプレッドシート」で39%、次いで「紙やノート」で25%でした。この2つで全体の64%を占めていますが、専用の日報アプリ・システムを利用している企業はわずか9%にしか過ぎず、汎用ツールで日報管理を続けている企業が多数を占めている現実が浮き彫りとなっています。
労務管理上の大きな問題
調査では、日報作成時間の合計のうち、業務時間内に作成しているのは55%にとどまっています。一方で、38%は業務時間外の作成であり、その中にはサービス残業として行われている部分が13%も含まれています。このことは、業務の一環である日報作成にかかる時間が、適切に賃金として支払われていない可能性があることを示唆しています。
マネジメントの課題
日報を管理者が確認した結果、全7名の回答者の中で「満足している」との回答は0%でした。
- - 80%は「やや満足している」とのことですが、全員が何らかの問題を感じているのです。
- - 特に、社員が書いている内容と管理者の希望する内容が大きくズレていることが問題視されています。たとえば、社員が最も多く書いているのは「進捗・達成状況」ですが、管理者が最も求めているのは「課題や問題点」、「学びや気づき」、さらには「改善提案」であったりします。このギャップが、さらなる業務の効率化を阻んでいる可能性があります。
世代によるAI活用の意識差
AIの活用に対する意識を世代別に調査したところ、Z世代では95%が前向きな意向を示す一方、バブル世代では62%という大きな差が見られました。これは、今後のAI活用の方向性にも影響を与える要因と考えられます。
今後の展望
この調査から見えてきたのは、日報のAI活用に対する期待が非常に高いが、実際の導入は進んでいない実態です。また、日報作成にかかる業務が労務管理上の問題を引き起こしていることも分かりました。AIエージェントの本格導入が進む2026年が迫る中、「日報」をはじめとした日常業務の「書く」作業から「任せる」作業への移行が新たな焦点になりそうです。