応用地質が「牽引式電気探査技術」を発表
応用地質株式会社(本社:東京都千代田区)が、国土交通省の新技術情報提供システム「NETIS」に新たな技術「牽引式電気探査を活用した河川堤防の弱部抽出技術」を登録しました。この登録は、2026年6月18日付となっており、今後の河川堤防の維持管理において重要な役割を果たすと期待されています。
登録の背景と必要性
近年、気候変動に伴う降雨の増加により、日本各地で河川災害のリスクが高まっています。河川堤防は数十キロにもわたり延びており、その基礎地盤の構造は場所によって異なるため、弱部を効率的に把握することが求められています。
従来のボーリング調査は土質を直接確認できる利点があるものの、調査の範囲が限られ、広域にわたる地盤構造を捉えるには難しさがありました。加えて、従来の電気探査技術(比抵抗法2次元探査)は電極の設置が必要で、施工面や経済性に問題がありました。
新技術の特徴
「牽引式電気探査技術」は、ケーブル型電極と平板型電極を併用した方法で、地盤の比抵抗値を連続的に測定します。これにより、深度約10メートルまでの地盤構造を効率的に把握することができます。具体的には、以下の特長があります。
- - 電極を地盤に設置する必要がない:これにより、長大な堤防でも効率的に調査が行えます。
- - 高精度位置情報取得:RTK-GNSS技術を活用し、調査ポイントの正確な位置情報を同時に取得、比抵抗分布を可視化します。
- - 簡易ボーリングとの併用:土質構造の解釈精度を高め、堤防沿いの弱部の洗い出しが可能になります。この手法により、重点的な点検箇所の選定が容易になり、効率的な維持管理に寄与します。
今後の展開
応用地質株式会社は、この新技術を河川堤防の維持管理や安全性評価に活用し、漏水リスクが高い場所の早期特定を目指します。調査データの蓄積によってリスク評価の精度向上を図り、得られたデータを地図情報と合成することで、堤防縦断方向の弱部を可視化。これにより、重点的な点検や対策の箇所の選定がより容易になります。
地球科学とデジタル技術の融合
応用地質株式会社は「人と地球の未来にベストアンサーを。」を企業理念に掲げ、地球科学の深い知見とデジタル技術を融合させ、インフラの長寿命化と災害リスクの低減に貢献していく方針です。自然災害の増加やインフラの老朽化という課題に対して、持続可能な社会の実現に向けて新しい価値を創造し続けています。
公式サイト:
応用地質株式会社
この新技術によって、より安全な河川堤防の維持管理が実現されることが期待されています。