男女平等を巡る日本人の認識とその変化
最近、イプソス株式会社による「イプソス国際女性デー2025」の調査が発表され、男女平等に対する日本人の態度や認識の変化が明らかになりました。この調査は、日本を含む30か国から23,765人を対象に行われたもので、日本国内の男女平等の実現に関する意識の高まりと逆差別感の増加が指摘されています。
調査結果の概要
調査によると、「男性は、平等を支えるために多くを求められすぎている」との問いに、日本人の45%が同意しており、この割合は過去6年間で10%も増加しました。特に興味深いのは、男性の同意率が53%で女性の38%を上回り、男女間での認識の差が浮き彫りとなっている点です。この結果は、逆差別を感じている日本人が増加していることを示唆しています。
世代別に見ると、60歳未満の世代が中心に同意しており、特にその中でも活発に意見を持つ傾向が見られます。このことは、若い世代が平等意識を持ちつつも、それに伴う負担感を感じやすい環境にいることを示しています。
男女平等の達成期待感は全体で最低
さらに、「次の5年間で男女平等の達成に向けて大きな進展が見られる可能性はどの程度あるか」という質問に対し、日本人の「とても/ある程度高い」と答えた割合は、わずか19%と、30か国中最も低い数値でした。このことから、日本における男女平等実現への期待感がどれほど厳しい状況にあるかが明らかとなります。
自国の取り組みに対する評価
「女性に男性と同じ権利を与えるための取り組みが、自国で十分に行われていると思うか?」という問いには、日本人の27%が「そう思う」と答え、こちらも6年前の19%から8ポイント増加したものの、30か国中最低という結果になりました。これは日本の男女平等に対する取り組みが、まだまだ世界のスタンダードに達していないことを示しています。
今後の展望
最後に、イプソスの代表取締役社長である内田俊一氏は、調査結果に対し以下のように述べています。「日本人が男女平等推進のために求められることが多く、逆差別と感じることが増えているという結果は重要です。日本の男女平等達成への期待も低く、制度の評価もよくないという現状を私たちは注視していきたいと思います。」
これらの調査結果は、今後の男女平等の進展に向けてどのような政策や取り組みが求められるのか、さらなる議論を促す材料となるでしょう。特に、日本の将来を担う若い世代が、男女平等に対してどのような意識を持ち、行動に移していくのかが注目されます。これからの日本における男女平等の課題について、私たちも真剣に向き合っていく必要があります。