新たな時代を迎える企業のサービス開発
博報堂とインキュデータが共同で立ち上げた「AI Service Design Program」は、企業が新たなサービスを開発する時代に合わせたものだ。従来の業務効率化を目的としたAI活用から、生活者との新しい関係性を築くためのツールへと進化することを目指している。本プログラムの特徴は、企業のアイデア構想からサービスの実装検証までを一貫して支援することだ。
1. プログラム立ち上げの背景
生成AIやAIエージェントの発展によって、企業と生活者の接点が従来の検索や比較を超えて、今やAIが生活者の意図や状況を理解し、提案や実行をサポートする時代が到来している。このような背景から、企業にはAIを導入するだけでなく、生活者に選ばれるサービスを設計することが求められている。一方で、まだ多くの企業はAIを業務効率化やコンテンツ生成に留めており、生活者との新たな接点を生むサービス開発には至っていない。
2. プログラムの具体的内容
「AI Service Design Program」では、企業が直面する課題を解決するために、様々なステップを用意している。最初に、生活者行動の変化や市場環境を分析し、新たなサービス機会を模索する。さらに、企業が保有するデータやシステム資産、AIの活用状況を整理し、実現可能なAIの方向性を議論する。
次に、生活者にとっての価値と事業性の両面からサービスコンセプトや体験シナリオを作成。これにはUX/UIのデザインやプロトタイプ作成も含まれ、実際に生活者の受容性を検証しながら進めていく。また、必要なデータや開発要件、運用体制を体系的に整理し、最終的にはPoC(Proof of Concept)の実装と検証を支援していく。
このことにより、アイデア段階から実際のサービス実装までの時間を最大約50%短縮し、迅速な意思決定を可能にする。
3. 独自のAIエージェント「AI CXperts™」
本プログラムでは、博報堂の生活者理解を基にしたサービス企画と、インキュデータのデータ解析やAI技術を合わせて活用する。特に、独自のAIエージェント「AI CXperts™」は、収集・分析・生成のプロセスにおいて重要な役割を果たし、企業が抱える問題を柔軟に解決できる能力を持ち合わせている。
4. 実施後の展望
博報堂とインキュデータは、今後もこのプログラムを通じて企業がAIを業務効率化だけに利用せず、生活者との深い関係を築けるようサポートを続けていく。また、博報堂DYグループの専門集団「HCAI Professionals」の知見を活かし、データ・AIの実装力を高めていくことで、AI時代における企業の新サービス体験を創出し、事業成長につなげていく方針だ。
この新たなプログラムは、企業が生活者との接点を新しく築くための重要な手助けとなるだろう。AIの進化がすべてのビジネスモデルに影響を与える中で、博報堂とインキュデータの取り組みは、他企業の模範となる可能性を秘めている。