『MY CARE ACTION』プロジェクトによる新しいケア教育の形
日本は、超高齢社会に突入し、すべての人が「ケア」に向き合う必要性が高まっています。そんな中、医療・介護・保育サービスを全国展開するニチイ学館と、株式会社パラドックスが共創するプロジェクト『MY CARE ACTION』が注目されています。このプロジェクトでは、教育分野での取り組みとして探究型授業『かけテク for CARE』を東京都中野区の新渡戸文化中学校で展開しました。
教育の場でケアについて考える機会を提供
『MY CARE ACTION』の一環として行われたこのプログラムは、探究学習の手法を用いて生徒たちに「ケア」について深く考えさせるものです。特に、広告の発想法を取り入れた「かけテク」が活用され、社会的課題の理解と解決策の提案を促します。
2025年10月22日と25日の2日間、1年生から3年生までの151名が参加し、新たな視点での「ケア」を学びました。この活動を通じて、今まで特別視されていた「介護」を、全員が関与すべき重要なテーマとして捉える意義が浮き彫りになりました。
「かけテク for CARE」の実施内容
「かけテク」は、2つの社会の困りごとを掛け合わせることで新たな解決策を生み出す手法です。生徒たちは自ら考えることで、介護やケアに対する新しい視点とアイディアを持つことができました。具体的な授業では、技術、地域、職場環境、世代間交流など多様な視点からケアに関する課題を考察し、全40案の“ケア・イノベーション”を発表しました。これにより、彼らの自由な発想が刺激され、「私たちも関わる社会のテーマ」としてケアの重要性が理解されたのです。
未来の社会に必要なケア意識の向上
超高齢社会にともなう課題は、誰にでも降りかかる可能性があります。そのため、若い世代がケアについて理解し、考えることは非常に重要です。『MY CARE ACTION』はこの課題に取り組み、「ヤングケアラー」や「若者ケアラー」と呼ばれる、ケアと仕事の両立の葛藤を抱える方々への支援を目指しています。また、社会全体がしっかりと「ケア」に関与できる仕組みを作り出すために、西部誠司CEOを筆頭に、未来の子どもたちとともに新たな価値観を築いていくことに力を入れています。
教育と企業の連携が生む未来
今回の授業のような取り組みは、教育現場での「ケア」に関する機会がまだまだ不足している中での試みです。『MY CARE ACTION』は企業間の連携だけではなく、教育機関との協力も不可欠だと考え、プロジェクトを拡大していく意向です。将来的には、全ての人々が「私もケアできる」と自覚し、それぞれが社会に貢献できることが求められています。
パートナーシップの拡充
このような取り組みを実現するためには、各種団体・企業の連携が欠かせません。ニチイ学館やヤングケアラー協会、TBWA HAKUHODOなど、さまざまなパートナーとともに構築しているこのプロジェクトは、未来を担う子どもたちと社会全体が共に成長し、支え合う社会作りに寄与することを目指しています。今後も展開される『MY CARE ACTION』に注目が集まるでしょう。