建設業界のDX化プロジェクトが始動
2025年春、鴻池組、エムシーディースリー、ゼロボードの三社が共同で進めた温室効果ガス(GHG)算定のデジタルトランスフォーメーション(DX)プロジェクトが、本格的に運用を開始しました。このプロジェクトは、建設現場におけるGHG排出量の算定と削減活動の管理を効率化することを目的としています。
プロジェクトの背景
近年、建設業界でも環境問題に対する関心が高まっており、特に温室効果ガスの排出削減に取り組む企業が増えています。しかし、従来の手法では排出量の算定や削減活動の管理に膨大な時間と労力がかかり、多くの建設企業が効率的な対応に苦しんでいました。そこで、鴻池組が中心となり、MCD3とゼロボードと共同で、業界に革新をもたらす新たなシステムを開発しました。
システムの概要
プロジェクトでは、MCD3が提供する施工管理システム「ワークサイト」と、ゼロボードが提供するGHG排出量の可視化クラウド「Zeroboard」がデータ連携を行い、施工段階におけるCO₂排出量の算定と管理を可能にしています。これにより、事業者は現場のGHG排出をリアルタイムで把握し、効率的に削減活動を行うことができるようになりました。
本格運用の開始
2025年8月の時点で、すでに鴻池組の200以上の現場でこのシステムが活用されています。特に、施工現場ごとのGHG排出量を安定的に管理できる仕組みが整備されたことで、従来の半年ごとの集計作業を日次業務に統合することが可能となり、業務の効率化が実現しました。これにより、現場担当者は重複作業を減らし、脱炭素活動におけるPDCA(計画・実行・評価・改善)サイクルを積極的に推進できるようになりました。
今後の展開
鴻池組は2024年秋から、さらに多くの建設現場での実証を開始し、稼働データの自動連携や排出量の可視化に向けた検証を続けます。その結果をもとに、2025年4月には連携機能の正式版を導入し、対象現場への本格的な展開を進める予定です。
脱炭素経営の未来
このDXプロジェクトは、企業全体でのCO₂排出量を一元管理し、定期的な削減レポートの作成にも活用される計画です。建設業界における脱炭素化は急務であり、鴻池組らの取り組みは、それに向けた重要な一歩と言えるでしょう。今後も、より多くの企業がこのような新しいテクノロジーを採用し、環境に優しい持続可能な社会を実現するための努力が求められます。
まとめ
鴻池組、MCD3、ゼロボードが共同で進めるこのDX化プロジェクトの成功は、建設業界における環境問題への取り組みを加速させるでしょう。さらなる業界全体の脱炭素化が期待されます。今後の展開に注目が集まります。