三菱重工業、ウズベキスタンエネルギー省とのMOUを締結
三菱重工業は、ウズベキスタンのエネルギー省(MOE)と、電力の安定供給及び再生可能エネルギー導入に関する覚書(MOU)を締結しました。これは、両者が持続可能な電力供給を確保し、脱炭素技術の研究を進めるための重要なステップです。
MOUの内容
この覚書に基づき、両者は主に次の3つの項目に共同で取り組むことになります。
1.
既存発電所の改造案の検討
三菱重工業が提供した発電所の設備を活用し、電力供給の安定性を高めるための改造案を提案します。
2.
水素混焼の可能性評価
新しいガスタービンコンバインドサイクル発電所の設計において、水素混焼技術の適用可能性を検討します。
3.
脱炭素技術の開発
今後の電源開発計画に関して、その他の脱炭素技術を活用した解決策を研究します。
この共同研究の期間は2年間で、経済産業省が支援する「グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金」の一部として進められます。
ウズベキスタンのエネルギー政策
ウズベキスタン政府は、2030年までに再生可能エネルギーによる発電比率を54%以上に引き上げる方針を打ち出しています。これに対して、三菱重工業は過去に火力発電設備を提供し、需要の増加に寄与してきましたが、今後は水素やアンモニアの混焼、二酸化炭素の回収、利用、貯留(CCUS)といった新しい脱炭素技術も採用する計画です。
この取り組みを通じて、ウズベキスタンの電源構成を見直し、再生可能エネルギー導入を支援するとともに、さらなる脱炭素化を図っていく方針です。これにより、持続可能なエネルギーソリューションの導入が期待されます。
日本とウズベキスタンのエネルギー協力
また、経済産業省とウズベキスタンエネルギー省は、再生可能エネルギーや水素、合成燃料、CCUS、高効率発電技術などのエネルギー源を活用し、エネルギートランジションを実現するための協力覚書(MOC)を2024年1月に締結する予定です。このMOCに基づく共同研究は、両国のエネルギー協力をさらに強化することを目指しています。
未来志向のエネルギー戦略
三菱重工業では、2040年までのカーボンニュートラル達成を目指し、「エナジートランジション」に戦略的に取り組んでいます。今回のMOUに基づく共同研究は、持続可能なカーボンニュートラル社会の実現に向けた重要な取り組みであり、未来のエネルギー供給の在り方を大きく変える可能性を秘めています。
このように、三菱重工業はウズベキスタンとの連携を強化し、再生可能エネルギーや脱炭素技術の研究開発に貢献していく所存です。
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