復興の象徴、30年古酒の誕生
2025年1月17日、兵庫県神戸市に本社を持つ沢の鶴株式会社から、阪神・淡路大震災の発生年に仕込まれた「1995年醸造 生酛純米古酒」が登場します。この特別な商品は、震災から30年という節目を迎えるにあたり、災害の教訓を後世に伝え、災害対策の重要性を考えるきっかけとして発売されることが決まりました。数量限定で10本のみ、価格は720mlで一瓶100,000円(税込)です。特に注目すべきは、売上全額が日本財団の「災害復興支援特別基金」に寄付されることです。
震災の記憶と希望の酒
阪神・淡路大震災が起きた1995年1月17日には、沢の鶴の蔵が全て倒壊するなど、大きな打撃を受けました。それでも、震災の影響から復旧した後、1995年3月には酒造りが再開されました。この新たな始まりは、被災した社員たちの復興への強い願いと未来への希望が込められたものでした。古酒の製造は、基本的には長い時間と手間をかけて行われますが、このお酒には特別に意味があるのです。
熟成と特長
お酒は、初めに搾られた後は、一旦ホーローのタンクで貯蔵されました。翌年には酒造りに落ち着いて取り組むことができるようになり、オーク樽での貯蔵も始められました。1996年7月から8月にかけて41日間オーク樽で保存され、その後再びホーロータンクに戻されたお酒が、室温10度の貯蔵室で静かに熟成されました。この30年という長い年月が経た後、深い味わいの中熟タイプの古酒に仕上がっています。オーク樽による独特なフレーバーが加わったこの酒は、震災の教訓を体現した特異な存在といえるでしょう。
災害に備える意義
震災を経験した蔵元としては、未来の災害に対する備えの重要性を身に染みて感じています。この特別な古酒を通じて、起こり得る自然災害への備えと、迅速な緊急支援の実現を目指す日本財団への寄付を行うことは、大きな意義を持っています。私たちも、社会の一員として、災害の教訓を忘れず、より良い未来のための備えをしていく必要があります。
商品購入について
この特別なお酒は、2025年1月17日10時から、電話または公式オンラインショップでの注文を受け付けます。発送は2025年1月20日以降、順次行われる予定で、限定本数に達し次第、受付が終了します。これまでの歴史と希望が込められた「1995年醸造 生酛純米古酒」は、ただの酒ではなく、その背後には多くのストーリーと深いメッセージがあるのです。
商品スペック
- - 商品名: 1995年醸造 生酛純米古酒
- - 容量・価格: 720ml・100,000円(税込・送料無料)
- - 酒質: 生酛造り純米酒
- - アルコール分: 16.0度
- - 原材料名: 米、米麹
- - 精米歩合: 麹米63%、掛米65%
沢の鶴株式会社の紹介
沢の鶴株式会社は1717年に創業された伝統ある日本酒メーカーです。米にこだわり、純米酒を中核とした酒造りを行っています。その理念は「米を生かし、米を吟味し、米にこだわる」であり、品格ある酒を長い歴史の中で育んできました。神戸市に本社を構え、今でも多くの日本酒ファンに愛されています。今後も彼らの酒造りを応援しつつ、災害から学び、より良い未来を築いていきましょう。