理想科学工業が新ツール導入で試作効率を大幅向上

理想科学工業が進める新しいプロセス改革は、製品開発の効率化という観点から注目されています。特に、同社が導入した「E3.series」というツールを利用し、3D配策検討と合わせて運用することで、試作段階で発生する工数を大幅に削減した事例が報告されています。

プロセス改革の背景と目的

理想科学工業では、初回試作時に受ける設計レビューでの指摘が従来の三分の一に減少したと、開発本部の松川氏が述べています。これは、事前に3Dで配策検討を行うことで、長さの把握や製造性の検証が可能になったことが要因です。結果として、設計段階での問題発見が早まり、試作機での配線検討の負担が軽減されました。

工数削減の具体的な成果

具体的には、配策検討ツールの導入により、従来試作機完成後に行っていた多くの検証作業を設計段階で実施できるようになりました。これにより、図面間の連携が強化され、描き違いなどのミスが防止された結果、作図や検図にかかる工数も40%以上削減されることが判明しました。こうした改善がなされたことで、製品の設計品質が向上し、結果として製品開発のサイクルが短縮されることが期待されています。

図研の役割と今後の展望

図研は、理想科学工業のように「E3.series」を導入して電装設計を効率化し、モノづくりのプロセス全体を高度化しようとする企業を支援することに尽力しています。今後もこのツールの機能向上を目指し、さらに充実したサポート体制を整えていく方針です。

また、図研ではさまざまな企業の導入事例を収集・まとめており、理想科学工業の抱える課題や将来的なビジョンについても多くの情報が提供されています。この情報は、導入を検討する他の企業にとっても貴重な参考となるでしょう。