パーキンソン病とQOL
2025-03-18 09:28:49

進行期パーキンソン病患者のQOL向上を目指す共同研究が始動

進行期パーキンソン病患者のQOL向上を目指す共同研究の開始



このたび、株式会社フィロソフィア、学校法人川崎学園川崎医科大学、株式会社テックドクターが共に力を合わせ、進行期のパーキンソン病(PD)およびその類縁疾患に特化した長期共同研究をスタートさせました。この研究は、施設入所患者や地域で生活する患者の生活の質(QOL)の向上を主眼に置いています。また、高齢化社会において求められる介護リソースの効率化を図ることにも力を注いでいくことを目指しています。

研究の背景と目的



日本国内でのパーキンソン病患者は29万人を超えるとされ、今後も増加する見込みです。特に進行期においては、薬物療法や外科的介入の効果が低下するため、リハビリテーションや環境調整を含む非医学的アプローチが重要視されます。この研究では、進行期患者の生活の質向上と日常生活動作(ADL)の維持に寄与する要因を探求します。

従来の研究では早期発見と治療に重点が置かれてきましたが、進行期における適切な介入やその影響に関する研究は不足しています。本共同研究では、施設に入所する患者とコミュニティ在住の患者を対象とし、QOLとADLをいかに向上させるかを明らかにすることを目的としています。

研究概要



研究責任者である三原雅史教授(川崎医科大学 神経内科学)を中心に、共同研究機関として川崎医療福祉大学、倉敷脳神経内科クリニックなどが参画しています。また、本研究ではGPS機能を搭載したウェアラブルデバイス「Google Fitbit」などから得られるデータを分析することで、患者の活動量、心拍数、睡眠パターンを把握します。自己記入式アンケートや診療結果も使用し、約100例の症例数を予定しています。

この研究を通じて、進行期パーキンソン病患者のQOL向上に寄与できると期待されています。特に、高齢化が進む社会においては、適切な環境調整やケアプラン、介入量を設定し、最適なケア体制を構築することが求められます。

研究機関の役割



川崎医科大学



川崎医科大学の神経内科学教室では、神経変性疾患の患者が直面する課題に向き合い、レジストリ構築やデジタルデバイスの活用による新しい研究に取り組んでいます。この研究は、患者の生活の質を向上させるために、医療、研究、教育を通じてより良い医療を実現することを目的としています。

株式会社テックドクター



テックドクターは「データで調子をよくする時代へ」というビジョンを掲げています。医療や製薬業界のニーズに応えるためのデジタルバイオマーカー開発プラットフォームを提供し、収集されたデータをAIや機械学習を用いて解析しています。この技術により、誰もが健康で豊かな生活を送る手助けをしています。

株式会社フィロソフィア



フィロソフィアは「善く生きる」という理念のもと、パーキンソン病専門の住宅型有料老人ホーム「PDレジデンス」を通じて、患者一人ひとりの生活の質を保ちながら看護、介護、リハビリを提供しています。その環境で、患者たちは自分らしい毎日を送ることができ、支援体制も整っています。

今後の展望



今後は、長期のデータを蓄積し、進行期パーキンソン病に対する最適なケア体制の確立を目指します。この研究が成功すれば、地域社会における介護の質向上と、高齢者への最適なサポートを提供するためのモデルケースになることが期待されています。重要なのは、患者コミュニティ全体が持つニーズを捉え、実際的な解決策を見出すことです。こうした研究結果が地域に還元されることによって、さらなる公益性を追求していきます。


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会社情報

会社名
株式会社フィロソフィア
住所
大阪府大阪市中央区谷町4丁目5番9号谷町アークビル1104
電話番号
06-6867-7651

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