世界初導入の3Dプリンターが地域産業を変革
2023年11月18日、愛媛県今治市に新たなイノベーション拠点が誕生しました。その名も『X-tech Lab Imabari(クロステックラボイマバリ)』。この施設は、今治地域の地場産業が抱える人材不足や生産性向上といった深刻な問題を解決するために開設されました。特に、今治が pride にするタオル製造業や造船業といった基幹産業は、熟練技能者の高齢化や新規人材の確保に難航しています。
『X-tech Lab Imabari』では、最先端の3Dプリンターや協働ロボットが導入され、地域企業が新しい技術を試すことができる環境が整っています。ラボ内で実施されるラピッドプロトタイピングは、製品開発の初期段階における迅速な試作品制作を可能にし、設計の改善を効率的に管理することを目的としています。
最新鋭の3Dプリンターと協働ロボット
このラボの目玉は、世界初導入の3Dプリンター「BUTLER(バトラー)」です。このプリンターは、協働ロボットが造形テーブルを持ち運ぶ形式として設計され、ペレット状の熱可塑性樹脂やリサイクル材料を利用した環境に優しいプロトタイプ制作を可能にします。これにより、ものづくりのプロセスが持続可能な形で進化します。さらに、試作品が失敗した場合でも、材料を再利用できるため、リソースの無駄を減らすことができます。また、自由な発想で椅子やランプ、看板や棚など、多様な製品を制作することが可能です。造船業界においても、プロペラの試作品やモデル船の制作に使用されるなど、多方面での活用が期待されています。
次世代を担う人材育成の場
『X-tech Lab Imabari』は、企業向けの支援を超えて、一般市民や子どもたちにも最新技術に触れる機会を提供します。プロデュースを手掛ける㈱SUNABACOの代表である中村まこと氏は、「技術の民主化により、テクノロジーは特別な専門家だけのものではなくなりつつある」と語っています。今後は子ども向けのワークショップや体験イベントが開催され、次世代の創造的な力を育む教育の場となる予定です。
地域産業の人材育成拠点
このラボはただのものづくりスペースではなく、地域の人材育成や交流の拠点を目指すものです。オープニングイベントでは、企業が業界の壁を越えて協力し、AIの導入による業務効率化の成功事例が紹介されました。これにより共通の課題を抱える企業同士の連携がすでに始まっています。
中村代表はさらに、「施設を利用して『船のロボコン』を開催すれば、全国から学生が集まり、地域企業への就職のチャンスにもつながる」と、新たな雇用の可能性を語りました。今治から生み出される革新の波にぜひ注目してください。
地元経済界の期待も高まる
地元経済界からも期待の声が上がっています。㈱新来島どっくの森克司社長は、「このラボで若者たちが最新の技術に触れることで、ものづくりへの興味が喚起される」と語り、今治市がさらなる活性化につながることを期待しています。
このように、『X-tech Lab Imabari』は今治市の未来を切り開く大きなステップとして、多くの人々に新しいチャンスを提供します。地域を盛り上げるためにも、ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。