オキシトシン経鼻投与が男性性機能障害の新しい治療法を切り開く！

男性性機能障害の新たな治療法に期待

岡山大学と広島大学の研究チームによる共同研究が、男性性機能障害の革新的な治療法に新たな光をもたらしました。オキシトシンというホルモンの経鼻投与を用いるこの手法は、性的モチベーションと精子機能の同時改善を実現することが明らかになりました。

研究の背景

これまでの男性性機能障害の治療方法は、主に中枢神経に働きかける方法と末梢的なアプローチに分かれており、どちらか一方に焦点を当てることが多かったのです。しかし、この一極集中型のアプローチでは、患者が抱える複数の問題を包括的に解決することが難しいという課題がありました。

画期的アプローチ

岡山大学大学院環境生命自然科学研究科の榎本千夏大学院生をはじめとするチームは、オキシトシンの経鼻投与が脳を直接刺激し、性的モチベーションを促進するメカニズムを導きのきました。この方法では、オキシトシンが視床下部のニューロンを活性化させることが示されています。さらに、精巣上体と副性器の機能を向上させ、精子の運動率や前進運動率、精子数さえも改善させる結果が得られました。

特に注目すべきは、射精を経験していない性的不活発な雄ラットにおいても、オキシトシン投与によって自然な性行動が誘発されることです。これは、従来の治療法では改善が難しいとされていた重度の性欲低下や性機能障害に対して新しい対策となる可能性を示しています。