不登校実態調査:子どもの「学校に行きたくない」とは
2025年6月、株式会社キズキが運営するウェブメディア「不登校オンライン」は、全国の保護者を対象に「子どもの『学校に行きたくない』という声とその後の状況、親の対応に関するアンケート」を実施しました。この調査では102名の保護者からの回答を得て、子どもたちの気持ちやその背景について深く探りました。
この調査の結果は、ただの気まぐれではなく、深い意味を含んでいることが判明しました。「学校に行きたくない」と感じる約98%の子どもたちが、その後不登校または部分的な登校を余儀なくされているとのことです。これは、親として、また子どもを支える者として、注意深く受け止める必要があるサインと言えるでしょう。
調査結果の概要
現代の学校環境において、子どもが「学校に行きたくない」と発言する背景には何があるのでしょうか。調査によると、最も多い理由は「不安・気分の落ち込み」であり、次いで「友人関係」や「教職員との関係」、「いじめ」のような人間関係の悩みが現れてきました。特に、40%がこれらの人間関係の悩みを理由に挙げていることは、無視できない事実です。また、学校という制度そのものに対する違和感を持つ子どもたちも多く、おそらく様々な要因が絡み合った結果の「行きたくない」という発言であることが分かります。
行きたくないと感じるタイミング
特に注目すべきは、子どもが初めて「学校に行きたくない」と言い出したのは、約40%が小学校1〜2年生の時期であり、続いて中学1年生や小学4年生が続くという結果。これは、環境が大きく変わる時期にこの感情が表面化しやすいことを示しています。また、60%の発言が長期休み明け以外の日常で起こっており、このことからも、さまざまなストレスや違和感が蓄積されていく様子が伺えます。
有効な親の対応
調査において、親が「学校に行きたくない」と言われた時に行って良かったと感じている対応として目立ったのが、「じっくりと話を聞く」ということです。子どもたちの声に耳を傾ける姿勢が最も重要であることが、多くの親から支持を得ています。他には「一旦休ませて見守る」「学校や担任に相談する」といった対応が多数票を集めました。逆に、子どもを無理に登校させようとした場合、その成果を良かったとは感じていない保護者がほとんどという結果も出ており、子どもに寄り添ったアプローチが求められています。
受け入れる姿勢が重要
調査結果からは、保護者に向けたアドバイスも多数寄せられています。「行くあなたも居ないあなたもOKだよ」という言葉や、「学校は命をかけるところではない」といったメッセージは、子どもにとって安心感を与えるものとなります。さらに、専門家に相談することも強調されており、辛い時期はいつか終わるという希望を持たせることが大切です。
不登校相談員である伊藤真依氏も、原因を追及せず、子どもの安心感を第一に考えた対話が有効であるとし、親が尋ねる際には「どんな環境なら安心して学べるか」や「何があれば今日少しでも楽になれそうか」といった問いを投げかけることを提案しています。
まとめ
今回の調査を通じて、子どもたちが「学校に行きたくない」と感じることの背後には、様々な深刻な問題が潜んでいることを理解することができました。保護者として、どう向き合い、どう支えるかは非常に重要な課題です。「不登校オンライン」は、今後もこのような問題に取り組むための情報提供を続けていきます。保護者の皆さまには、ぜひ心のサポートをする大切さを認識し、子どもたちと一緒に問題解決の道を模索していただきたいと思います。