蓄電池安全基準
2025-10-21 14:08:21

国内の蓄電池安全基準『JIS C 4442』の発行でリユース促進

中古蓄電池の安全なリユースを促進する新規格



近年、再生可能エネルギーの需要増加に伴い、電気エネルギー貯蔵システム(BESS)の重要性が高まっています。このBESSの安全性を確保し、中古蓄電池のリユースを推進するために、新たな日本産業規格「JIS C 4442」が発行されました。2025年10月20日に施行されるこの規格は、日本国内における中古蓄電池の安全な再利用を図るための重要な基準です。

この規格の発行に際して、独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)が原案作成に参画しました。JIS C 4442は、大型蓄電池システムの運用管理を見据え、その運用期間中において発生する可能性のある計画外の変更に関して、具体的な安全要求事項を明示しています。設置場所の変更や、中古の蓄電池をBESSで再利用する際の運用・試運転・保守などの各段階における要求事項が含まれています。

BESSの拡大と安全性の重要性



BESSは、太陽光や風力発電から得られる電力の変動を吸収し、安定した電力供給を実現するためのシステムです。しかし、世界各地ではBESSに関連した火災事故が発生しており、その安全性の確保が求められています。日本においても、NITEは2016年からBESSの安全性評価を行うための試験評価施設(NLAB)を設置し、様々な評価を行っています。

さらに、NITEは国際電気標準会議(IEC)の技術専門委員会にも参加し、BESSの国際基準に対する規格開発にも寄与しています。特に2020年に発行されたIEC 62933-5-2や2021年のJIS C 4441では、BESSの全ライフサイクルにわたる安全要求事項が規定されています。

新しい規格の意義



今回のJIS C 4442の発行により、国内におけるBESSの安全で効果的な活用が期待されています。蓄電池の他用途への再利用が促進されることで、限りある資源の活用や循環型経済の構築にも寄与することが見込まれます。この新たな規格を活用することで、事故のリスクを低減し、より安全にBESSを利用することができるようになります。

NITEは、今後も蓄電池システムの安全性向上と、国内産業の成長を支援し続ける方針です。これは、環境保護だけでなく、持続可能な社会の実現に向けた重要なステップとなるでしょう。

まとめ



BESSの利用が進む中、新たに制定されたJIS C 4442は、安全性を強化しつつ中古蓄電池のリユースを促進することで、日本のエネルギー政策に貢献すると期待されています。今後の蓄電池システムの更なる発展が待たれます。

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