国産オーガニック給食を実現する新たな取り組みの始まり
2025年5月16日、兵庫県神戸市において、(株)泉平、一般社団法人日本有機加工食品コンソーシアム、生活協同組合コープ自然派兵庫の三者が協定を締結しました。この合意により、オーガニック給食の推進を目的とした生産・加工・流通のプラットフォームが構築されることになります。これまでの取り組みをさらに発展させ、地域の連携を深めながら、子どもたちに安全でおいしい給食を提供することを目指します。
オーガニック給食事業部会の協働実施
今回の協定では、「株式会社泉平」が西日本を中心に学校給食における食材の提案から仕入れ、納入までの一連の流れを担い、地域のニーズに応じたオーガニック食材の開発を進めることが決定しました。一方、「一般社団法人日本有機加工食品コンソーシアム」は原料と食材の確保を行い、両者で産地情報を共有しながら効果的な市場展開を計画します。そして、「コープ自然派兵庫」がオーガニック給食の導入を望む消費者との連携を深め、地域の食育活動を推進します。これにより、国産オーガニック給食の実現が具体化していくのです。
オーガニック給食導入の背景
コープ自然派は、「食と農と環境は一体」との理念のもと、安心・安全な食を求める活動を行ってきました。日本の食料自給率は38%であり、環境汚染や気候変動など、食に関わる問題は多岐にわたります。特に農業の高齢化や後継者不足といった課題も加わり、どのように食文化を支えていくかが問われています。
学校給食の予算は地域ごとに異なり、平均242.9円という数字からも、子どもたち全員が平等に食事を摂ることの重要性が伺えます。私たちの未来を担う子どもたちの健全な成長を支えるためにも、より良い給食環境を整える必要があります。
持続可能な農業と公共調達
オーガニック給食導入に向けた取り組みの一環として、公共調達を通じて国産のオーガニック食材を導入することが重要です。この取り組みは、有機農業の需要を高め、国内の農業を活性化させる一助となります。国産オーガニック野菜の流通を促進することで、食料自給率の向上や生産者のサポートにも繋がります。
課題解決に向けた具体的なアプローチ
1.
行政との連携: 国産オーガニック食材の導入には、目的と財源が不可欠です。食の安全、自給率向上を目指し、自治体と協力しながら食育を進める活動が必要です。
2.
原料調達と加工: 有機栽培による農産物の確保は容易ではありません。そのため、国産オーガニックの青果を学校給食用に加工した食品の開発に継続的に取り組んでいきます。
3.
ニーズに合った提案: 各地域の行政に対するオーガニック食材の供給は、流通インフラやノウハウの整備が鍵となります。各自治体のルールに応じた食材供給の体制を整え、効率的な流通を実現します。
給食用国産有機冷凍野菜の導入
新たに「国産有機冷凍野菜」の取り扱いも開始され、大型調理でも容易に使用できる形に加工されます。カット済みの冷凍ほうれん草やダイスカットのにんじんがその一例です。
協定の目的と今後の展望
各組織が独立して活動するだけでは国産オーガニック給食を広げるのは難しいですが、各分野の知識やインフラを結集することで実現への道が拓けます。環境に配慮した食材の公共調達は、地球環境の保護と生産者の支援に繋がります。持続可能で環境に優しい地域社会の実現に、私たちはこれからも努力を続けていきます。
各組織の紹介
株式会社 泉平
一般社団法人 日本有機加工食品コンソーシアム
生活協同組合 コープ自然派兵庫
このプロジェクトを通じて、すべての人が質の高いオーガニック食材を享受できる社会を目指していきます。