NEKSKOエンジニアリング北海道が変革をもたらす
近年、交通インフラの維持管理について、効率性と安全性が求められる中、北海道の「ネクスコ・エンジニアリング北海道」は新たな技術を導入しました。それが、ドローン技術「IBIS2」です。この新しい技術の導入により、同社は橋梁の点検業務で利用する夜間通行止めを約4割も削減することに成功しました。これにより、交通の混雑を緩和するだけでなく、点検作業の効率も向上。今回はその取り組みについて詳しくご紹介します。
導入背景:厳しい法的制約と人口減少
日本の法律において、高速道路の橋梁は5年ごとに点検を行うことが求められています。特に北海道では800弱の橋梁が存在し、夜間に通行止めを行いつつ、計4台から6台の橋梁点検車を使って作業を行うのが通常です。これにより、多くの時間と人手が必要で、作業の効率性が課題となっていました。
さらに少子高齢化が進む中で、将来の点検作業に従事する人数が減少する懸念もあります。そこで同社は新技術の導入に乗り出し、特にドローン技術に注目しました。
ドローンの導入:新時代の点検技術
2023年から同社では、初めてドローンを用いた橋の点検作業を試験的に導入しました。初めて使用したのは小型ドローンでしたが、実際の業務では狭い場所に入ることができず、通常の点検方法と変わらない結果になってしまいました。特に中空床版橋などは、人が入る隙間がわずか20cmしかなく、作業者の身体的負担も大きかったため、より性能の高いドローンが求められました。
その結果、選ばれたのが「IBIS2」です。このドローンは狭所での操作性が高く、様々な環境で対応できる点が評価されました。
効果測定:点検日数の大幅削減
IBIS2を用いた結果、ネクスコ・エンジニアリング北海道は年間の夜間点検作業日数を38%も削減することに成功しました。また、ドローンを用いることで、昼間の作業も可能となり、通行止めに伴う影響を大幅に軽減することができました。特に密閉空間での安全性向上や、身体的負担の減少など、多くのメリットが得られました。
安定した飛行性能と訓練の重要性
IBIS2の訓練を受けた担当者たちは、週に1回の練習を行い、熟練度を高めています。彼らは、風がある環境でも安定した飛行を実現するための訓練を重ねています。これは、屋外での点検が多いという特性に対処するための工夫です。
未来展望:点検対象物の拡大
IBIS2の導入により、橋梁点検だけでなく、今後は配電設備やトンネルの避難抗など、さらなる対象物の点検にも取り組んでいく予定です。技術の進化により、点検業務はますます効率化され、安全性も高まると期待されています。
まとめ
ネクスコ・エンジニアリング北海道は、IBIS2を用いたドローン点検を通じて、効率的かつ安全なインフラ維持管理を目指しています。新技術の導入がもたらす未来に注目が集まります。