配筋検査ARシステム『BAIASⓇ』の新たな機能と現場実証
最近、エコモット株式会社、株式会社GRIFFY、村本建設株式会社の三社が共同で開発した配筋検査ARシステム『BAIASⓇ』に新機能が追加され、注目を集めています。このシステムは、2025年1月16日より設計勾配を入力し、計測データにその影響を反映させることが可能になりました。これにより、国土交通省が求める厳格な建設基準に対する適合性が向上し、特に床版工事における計測精度が一層高まりました。
国土交通省の基準に適合した新機能
2023年7月、国土交通省が定めた「デジタルデータを活用した鉄筋出来形計測の実施要領」に則る形で、『BAIASⓇ』は鉄筋の個々の間隔に対する許容誤差を±5mmに設定しました。床版工事では、特にこの精度が求められるため、従来の手法に比べて一層高い計測性能を確保する必要があります。
さらに、床版では縦横断方向に勾配が設けられることが多く、計測面を合わせる際に難しさが生じることがありました。これに対応すべく、設計値を事前に入力し、計測に反映させる新機能が追加されました。この機能により、現場での計測トラブルを軽減することが期待されています。
村本建設の現場実証結果
このシステムの実力を証明するため、村本建設で現場実証試験が実施されました。試験は2024年11月15日から12月6日までの間行われ、対象は道路橋工事の床版工事でした。計測対象は各測点における配筋間隔であり、計測は『BAIASⓇ』のARマーカー計測モードを使用しました。
測点は20ヶ所、各測点につき10か所が計測され、合計11本の鉄筋間隔を測定することで、システムの精度が確認されました。現場での計測結果は、国土交通省の許容誤差±5mmを確実に満たすものでした。これにより、『BAIASⓇ』が求められる基準に確実に適合することが証明されました。
『BAIASⓇ』の機能と特長
『BAIASⓇ』は、鉄筋コンクリート構造物の配筋検査を簡単に実施できるシステムであり、iPad ProのLiDARセンサーやカメラを活用しています。このシステムでは、鉄筋の本数や直径、間隔を計測できるほか、設計図との比較も可能です。また、データ出力や、鉄筋かごの計測機能、さらには「重ね継手長」や「定着長」の計測に適した2点間計測機能を装備しています。
これらの機能により、作業の効率が大幅に改善され、現場での生産性向上にも貢献しています。特に建設業界では、こうしたデジタル技術の導入が重要視されており、今後もさらに進化が期待される分野です。
エコモット・GRIFFY・村本建設の取り組み
エコモットは2007年の設立以来、IoT専業のソリューションプロバイダーとして様々な業界において技術を提供してきました。