青森の新たな挑戦:廃棄リンゴから生まれたエシカルレザー
青森県は日本一のりんごの生産地として知られていますが、近年、その裏には課題が存在しました。りんごは年間約44万トンも生産されている一方で、高齢化や労働力不足の影響で、廃棄されるリンゴも年々増加しています。この状況を受け、青森県弘前市のスタートアップ企業、appcycle株式会社は、この廃棄リンゴを活用した新素材「RINGO-TEX®」を開発しました。
appcycle株式会社とは
appcycleは、青森県青森市を拠点とするスタートアップで、代表の藤巻圭氏は地元のりんご産業の抱える問題に立ち向かうべく、2022年にこの会社を設立しました。特に焦点を当てているのは、廃棄リンゴの処理問題とそれを利用した環境問題への貢献です。appcycleは、この理念のもと、青森県産の廃棄リンゴをアップサイクルしたエシカルレザー、「RINGO-TEX®」を開発・製造しています。
包括連携協定の背景
2024年11月28日、appcycleは青森県弘前市と「地域活性化に向けた包括連携協定」を締結しました。この協定は、廃棄リンゴを有効活用するアップサイクル事業をはじめ、伝統工芸の分野で新たな価値を創出することを目的としており、具体的には10の分野での連携を目指しています。特に、津軽塗やこぎん刺しと「RINGO-TEX®」を組み合わせることで、新しい形の伝統工芸を育むことが期待されています。
協定の具体的な活動内容
この協定に基づく活動は、4つのテーマに分かれており、各領域での具体的な施策が計画されています:
1.
産業振興:アップサイクル事業や伝統工芸分野での協業を通じて地域産業を活性化します。
2.
農業振興:りんご産業の持続的発展に向けた取り組みを行い、自社農園も展開予定です。
3.
環境保全の促進:SDGsの認知拡大やゼロカーボンシティの実現に向けた啓発活動を行います。
4.
地域活力の創造:地域文化の振興や弘前市のPRにも力を入れます。
期待される影響
弘前市の櫻田宏市長は、「地域活性化に向けてappcycleとの包括連携協定を締結できることは大変意義深い」とコメントしています。また、藤巻代表も「地域に根差したサステナブルな事業モデルの構築を加速させていく」と意気込んでいます。これにより、弘前市は地域課題の解決を目指し、雇用創出、農業振興、さらには環境負荷の軽減といった多様な社会的課題に対応していくことが期待されています。
未来への展望
appcycleは、今後も「RINGO-TEX®」の普及を進めるだけでなく、他の地域でのアップサイクルモデルの構築を視野に入れています。青森から発信されるこのイノベーションは、持続可能な未来を築くための大きな一歩となるでしょう。
お問い合わせ
appcycle株式会社に関する詳細は、公式ウェブサイトまたはInstagramでご覧いただけます。未来志向の取り組みに参加したい方、または製品に興味のある方は、ぜひご連絡ください。