HAEオンライン市民公開講座が提供する新たな知見
CSLベーリング株式会社は、2025年6月7日に開催された遺伝性血管性浮腫(HAE)オンライン市民公開講座「主治医とともに歩むHAE」のアーカイブ動画を公開しました。HAEは、生活に大きな影響を与える疾患ですが、その症状や苦しみは多くの場合理解されにくいものです。今回の講座は、HAE患者とその家族が直面する課題を克服するための情報を提供することを目的としています。
講座には、千葉大学の本田大介先生や松繁卓哉先生、HAE患者会を代表する松山真樹子さんが登壇し、貴重な知見を共有しました。具体的には、HAEの基礎知識、患者の病気との向き合い方や社会的な理解について深く考えることができる内容でした。特に、「見えない苦悩」を理解することの重要性が強調され、患者と医療者の間に必要な対話と情報共有の重要性が語られました。
HAEとは何か?
HAEは、遺伝的要因によって発症する疾患で、血液中のC1インヒビターの不足や機能低下により、体内の浮腫が引き起こされます。発作は突然に起こり、痛みを伴い、呼吸困難を引き起こすことも。日本国内には約430名の患者が存在するとされ、未診断のケースも多いため、医療従事者や社会全体の理解が求められています。
患者の苦悩とその伝え方
講座では、HAE患者が日常生活で直面する問題、例えば主治医に症状を伝えることへのためらい、また進学や就職、さらには妊娠や出産といったライフイベントにおける特有の悩みが取り上げられました。これらは多くの患者にとって直面する悩みであり、如何にしてこれらの苦しみを表現し、理解してもらうかが、健康的な生活を送るための鍵となります。
その中でも、専門家が話し合う中で重要視されたのは、医療関係者との良好な関係構築です。主治医に自身の病状を率直に伝えることができる環境作り、また、患者と医療者の間に必要な信頼関係を築くことが、治療効果を高めるためには欠かせません。
HAEに対する理解を深めるために
HAE患者会の松山さんは、患者とその家族の声を大切にするCSLベーリングの取り組みについて触れ、希少疾患への理解が広まることによって患者の生活が改善される可能性があることを強調しました。この講座は、単に知識を提供するだけでなく、HAE患者の「見えない苦悩」に光を当て、社会的な理解を促進する意義があるといえるでしょう。
今後もCSLベーリングは、最新のエビデンスに基づいた情報を提供し、患者さんやそのご家族の生活の質向上を目指していきます。また、アーカイブ動画は公式ウェブサイトで視聴可能であり、HAEに関する理解を深めるための貴重なリソースとなることでしょう。
アーカイブ動画は以下のリンクから視聴できます。
まとめ
HAEの理解を深め、患者に寄り添う情報発信を行うことで、希少な病気への理解が進むことが期待されます。医療従事者と患者が互いに理解し合い、より良い関係を築くことが、患者の生活の質を向上させるための重要な一歩となるでしょう。CSLベーリングは、これからもその使命を果たしていくことを確認しました。