株式会社両備システムズは、2024年8月23日よりラオス人民民主共和国において、デジタルIDソリューションの導入に向けた実証試験を開始します。本プロジェクトは日本の総務省が支援しており、ラオスでのデジタルID基盤の整備と、それに伴う課題の整理を行います。
ラオスでは、住民管理や土地管理、車両管理などの行政システム間のICT連携が欠如しており、国民が行政手続きを行う上で煩雑さを抱えています。こうした状況から、統一的な国民IDの整備が求められ、デジタルID基盤の構築に対するニーズが高まっています。そのため、日本政府の「総務省海外展開行動計画2025」にもとづき、ASEAN地域とのデジタル政策における連携が推進されているのです。
両備システムズは、2019年にラオス現地法人「Ryobi Lao Co,. Ltd.」を設立し、ICTを通じてラオスの発展を目指しています。2023年から2024年にかけて、デジタルIDの導入に関する調査事業を成功裏に完了し、次のステップとして実証試験の受託を果たしました。
本実証試験は、約7ヶ月間、ラオスのビエンチャンで実施されます。試験では、現地の通信事業者と協力しながら、ラオス語に対応したデジタルID登録システムを構築します。このシステムでは、ラオス国民の基本情報や生体情報(顔情報)の登録が行われ、ラオス政府の職員による管理と利用が可能となります。
さらに、現地窓口でデジタルIDの登録を行い、現地通信事業者のスタッフに対して教育を実施します。また、ラオス国民や政府職員へのヒアリングを通じて、システムの操作性や機能面の課題を整理し、現地導入の可能性を探ります。
両備システムズは、プロジェクトの全体管理を担い、ラオス現地法人がシステム開発や運用支援を行う体制を整えています。本実証試験の結果をもとに、ラオス政府に報告し、今後の二国間協力や電子政府サービスの拡充を図っていく方針です。
このプロジェクトが成功することで、ラオスの行政サービスの向上や経済の発展に寄与することが期待されます。必要なのは、ラオス政府の主体的な取り組みです。今後、各省庁の協力体制を築くことが不可欠であり、その実現に向けて両備システムズは引き続き取り組んでいくでしょう。その動きに注目が集まっています。