若手社員の業務支援実態調査:4割が支援不足を実感
2024年10月12日から15日の間、社会人1年目から4年目の若手社員1,200人を対象に、業務支援に関する意識調査が実施されました。この調査は、組織開発や人材育成に特化したALL DIFFERENT株式会社と、未来に関する調査を行うラーニングイノベーション総合研究所が共同で行ったものです。
調査概要と背景
本調査では、業務支援の現状について明らかにすることを目的としており、若手社員の業務支援がどの程度行われているか、彼らがどのようにそれを受け止めているかを探りました。また、2024年の新入社員意識調査では、彼らが望む理想の上司として「間違いを指摘して正してくれる」ことが挙げられ、成長に必要なものとして上司や先輩からのフィードバックを求めている姿がうかがえます。
業務支援の実態
調査結果から、半数以上の若手社員が業務支援を行われていると実感しているものの、5人に1人は全く支援がないと感じていることが明らかになりました。特に、業務支援が行われていると感じる割合は、社会人1年目で60%を超えていますが、社会人4年目では58%に減少しました。
支援を行う相手
若手社員が支援を受けているのは主に「同じグループ・チームの先輩」であり、この割合は全年次共通で最も高い結果を示しています。年次が上がるにつれて「役職が1つ上の上司」からの支援が増えていくのも特徴です。このことは、若手社員が支援を感じる際に身近な存在である先輩のサポートが重要であることを示しています。
支援の内容
支援の内容としては、職場における必要なマインドや知識、スキルについての教育が最も多く見られました。ただし、「業務に詳しい関係者の紹介」や「新しい切り口での考え方」といった、視野を広げるための支援は十分ではないことも分かりました。これは、支援者側の知識が限定的であるために、多様な視点からのサポートが不足している可能性があります。
ポジティブな捉え方
業務支援があると、若手社員は「安心感」や「感謝の気持ち」を抱く傾向にあり、成長のためのモチベーションが高まることが分かりました。特に、「未経験業務」を遂行する際の支援が高く評価されていることが印象的です。
課題と今後の方向性
調査結果から見える課題の一つは、現場の支援が場当たり的でないかを検証することの重要性です。中長期的な育成計画の策定と定期的な見直しを行うことで、若手社員の成長において必要な支援を明確にし、効果的に提供することが求められます。多様な視点からの支援を受けられるような環境作りが、今後の企業に求められる方向性と言えるでしょう。
この調査は、若手社員が自らの成長を促進するための支援がどのように行われているかを探るものであり、今後の人材育成に向けたヒントとしても重要です。若手社員が企業の中核を担う人材に育つためには、業務支援が欠かせない要素であることを再認識する必要があります。