大牟田市教育委員会の未来を見据えた取り組み
大牟田市教育委員会は、地域に住む子どもたちと大人が協力し合い、未来のまちづくりを担うプロジェクト「OMUTAジュニアシティメーカー」に取り組んでいます。このプロジェクトは、単なる提案にとどまらず、実際に商品やデザインを考え、それを企業に提案するまでを体験する社会参画型の教育プログラムです。
プロジェクトの概要
OMUTAジュニアシティメーカーは、子どもたちが社会課題に自ら向き合い、考え、行動する力を育てます。具体的な活動としては、まず、全学年を対象にした、対話を通じた学習が行われます。その後、希望者が選ばれた生徒たちが実際にグループを作り、自ら考えた企画を商品化し、販売や企業提案を行うという流れです。
これまでの活動からは、例えば、地域の石炭産業に貢献するために「橘クロえもん」という黒いシュークリームの開発が行われました。この商品の開発では、地域の洋菓子店との共同作業を通じ、子どもたちが意見を出し合い、形にしていきました。ジャパン創生の観点から、地域資源の新たな利用法を探求する姿勢が見られます。
各期の取り組み
1.
第1期の成果 では、黒いシュークリーム「橘クロえもん」が誕生しました。地域の石炭の歴史を知ることで、自分たちの地域の価値を再認識し、それを商品として形にする喜びを体験しました。この黒いシュークリームは、現在、予約制で市内洋菓子店で販売されています。
2.
第2期 では、朝食を摂らない学生が多いという課題を解決するために「レジェンドバーガー」と「シグナルロール」が生まれました。「レジェンドバーガー」は、大牟田市の夏祭りに登場する「大蛇山」をモチーフにした栄養価の高い朝食です。一方、「シグナルロール」は信号機業界のメインプレーヤーにちなんだフルーツロールパンです。これらのプロジェクトは、地域のメディアとも連携しながら広報活動を行い、地域活性化に寄与しました。
3.
第3期 では、白銀中学校の中庭に関するデザインを提案しました。中庭には、ウッドデッキや多様な座り方ができるベンチなど、子どもたちのアイデアが盛り込まれ、学校の再編に伴って新しい学びの場が作られることになります。
持続可能な未来へ向けて
このOMUTAジュニアシティメーカーは、OECDが提唱する「学びの羅針盤2030」に基づき、子どもたちが主体的に考え行動する力を育むことを目指しています。今後は、2025年に予定されている大阪・関西万博を通じて、この取り組みを全国に発信し、地域の若者たちが未来を創る基盤を着実に築いていくことを目指します。
このように、大牟田市の取り組みは、まさに未来への挑戦と期待の詰まったプロジェクトです。これからの日本を支える子どもたちが、地域との結びつきを通じて成長していく姿を見守りながら、共に素晴らしい未来を築いていくことが求められています。