ノンフィクション『涙にも国籍はあるのでしょうか』が特別賞受賞
2024年2月に発売された三浦英之氏の著作『涙にも国籍はあるのでしょうか』が、日隅一雄・情報流通促進賞・特別賞を受賞しました。この著作は、東日本大震災の犠牲者の中で、誰も把握していない外国人の姿を追った感動的なノンフィクションです。
日隅一雄・情報流通促進賞とは
この賞は、表現の自由や情報公開、国民主権の推進に力を注いできた日隅一雄の理念に基づいて設立され、社会に貢献する個人や団体を表彰しています。受賞を受けて、ますます多くの人々にこの書が知られることになるでしょう。
書籍の内容
著者は、震災から12年が経過した後、初めて「東日本大震災での外国人犠牲者数が誰も把握していない」という事実に直面しました。彼が訪れたのは、震災後も力強く生き続ける人々の姿があった東北地方です。彼らはどのように日々を過ごしているのか、著者のインタビューを通じてその生き様が描かれています。
本書の中には、「大好きな日本で過ごす喜びをつづったメール」や「日本と米国をつなぐ架け橋になりたかった親友の夢」、さらには「3人の子供を失った母が見つけた希望」など、様々なエピソードが綴られています。
これらの物語は、ただの悲劇ではなく、そこに生き続ける人々の強さと温かさを伝えており、読む者に深い感動を与えます。
写真とのコラボレーション
また、著作のカバーには、写真家・木戸孝子さんが撮影した被災地の美しい写真が使用されています。彼女の作品「THE UNSEEN」は、この作品のメッセージを一層引き立てています。震災の記憶と共に、希望を持って未来に進む姿が印象的です。
著者について
三浦英之氏は1974年に神奈川県で生まれ、朝日新聞の記者として、またルポライターとして、多くの賞を受賞してきました。彼のこれまでの業績は、報道の重要性や社会に対する貢献を多くの人に訴えかけるものです。現在は岩手県盛岡市に在住し、地域の声を伝え続けています。
この感動的なノンフィクションを通じて、読者は震災の記憶と同時に、人々の絆の大切さを再確認することでしょう。ぜひご一読ください。