シュナイダーエレクトリックが日本市場にスカラロボットを導入
シュナイダーエレクトリックは、最新の産業用ロボット「Lexium™ SCARA(レクシウム スカラ)」を日本市場向けに提供を開始すると発表しました。2025年1月31日からの本格的な販売開始が予定されています。この新たなロボットは、製造業界での自動化を加速させるために設計されています。
自動化への強いニーズ
製造業界では、熟練労働者の不足が深刻な問題となっています。企業はこの課題に対処するため、反復的な作業を自動化し、従業員のリソースをより価値のある活動に振り向ける必要があります。また、消費者のニーズが多様化しており、少量多品種生産が増加しているため、柔軟性を持ったシステムが求められています。これらの背景を受け、スカラロボットの導入は進んでいると言えるでしょう。
Lexium SCARAの特長
スカラロボットは、Selective Compliance Assembly Robot Armの略で、数々の回転軸とアームを持つ水平多関節ロボットです。シュナイダーのLexium SCARAは、広範な動作範囲を持ち、高精度な制御を実現しながらも、その設置面積は非常に小型化されています。さらに、オールインワン設計により、モーター、コントローラー、通信機能が内蔵されており、配線作業を大幅に削減することができます。
このロボットは、バッテリー製造や電子機器の組立て、倉庫管理、消費財の包装など、多岐にわたる業種で活躍することが予想されます。ピックアンドプレースや包装、マテリアルハンドリングなどのプロセスにおいて、少ない工数で自動化を導入できる点が大きな魅力です。
一台のコントローラーで全てを管理
シュナイダーエレクトリックのロボティクスソリューションの一際目立つ特徴は、複数のロボットやリニア搬送システムを一台のコントローラーで制御できることです。従来は、各ロボットごとにコントローラーが必要で、システムの通信や同期が煩雑でしたが、シュナイダーの提供する「PackDrive(パックドライブ)」を利用することで、すべての制御を一元化できます。これにより、開発工数を大幅に削減し、迅速な導入が可能になるのです。
エンジニアリングを支えるソフトウェア
さらに、Lexium SCARAは、シュナイダーのエンジニアリングソフトウェア「EcoStruxure™ Machine Expert」を用いることで、エンジニアリングから試運転、シミュレーションまでの一連のプロセスをサポートします。シミュレーション機能を使うことで、実際の機器を導入する前に様々な条件の下での動作を確認することができ、立上げ時間の短縮を実現可能です。
シュナイダーは、30年以上にわたる経験をもとに、顧客の生産性向上とオートメーションソリューションへのトータルサポートを提供。導入後も、日本人エンジニアが専属でサポートし、メンテナンス部品の提供など、継続的なサポートを行います。
企業のビジョン
シュナイダーエレクトリックは、エネルギーとリソースを最大限に活用し、持続可能な未来を目指す企業です。この新しいロボット導入により、多くの企業がそのビジョンに近づけることが期待されています。競争が激化する製造業において、スカラロボットが持つ柔軟性と効率性は重要な要素となるでしょう。今後の展開に注目です。