長期滞在型アパートメントホテルの実力を探る新資料集が登場

アパートメントホテル市場を読む新資料集が登場

デベロッパーや不動産投資家にとって、アパートメントホテルは注目の分野の一つです。この度、4月下旬に発売される「アパートメントホテルの開発計画＆投資評価実務資料集」には、長期滞在型ホテルに特化した情報が盛り込まれています。特に、株式会社セクションL（以下、Section L）の取締役、多和田真弥氏と北川旭洋氏が寄稿した内容は、これからの市場を見据える上で非常に価値があります。

アパートメントホテルの魅力

訪日外国人の増加傾向が続く中、2024年には訪日外客数が過去最多の3600万人を望むとされる中、彼らの求める宿泊スタイルにも変化が見られています。特に「洗濯や料理ができる」、「広々とした住空間」が提供されるアパートメントホテルが注目されています。これらの施設は、単なる宿泊場所ではなく、長期滞在中の快適さと便利さを兼ね備えています。

Section Lは、東京都内に11棟のアパートメントホテルを運営し、ビジネスホテルや賃貸マンションをアパートメントホテルに転用することで、投資家に対し新たな価値を提供しています。現在、外国人宿泊者の比率が90％に達しており、インバウンド向けのファン作りにも成功しています。

省人化と運営効率の実現

テクノロジーの導入により、運営の効率化が進んでいるのもSection Lの特徴です。自社開発のソフトウェアを使用し、運営利益率は60％台に達しており、高い経済的効率性を誇っています。また、施設全体のデザインにもこだわりが見られ、各地域の特色を反映させたインテリアが施されています。例えば、上野のSection L Ueno-Hirokojiでは、下町のレトロな雰囲気を織り交ぜたデザインが魅力的です。

地域とのつながり

また、Section Lでは宿泊者限定のアプリを通じ、地域イベントや観光体験の機会を提供しています。これにより、宿泊者同士の交流が生まれるだけでなく、地域の文化を感じられる機会も作られています。地域の飲食店や文化施設を探索することで新たな観光地の発見にも繋がり、オーバーツーリズムの軽減にも寄与しています。

書籍の構成

本書は、アパートメントホテルに関する様々な視点を提供します。第1編では事業特性や開発動向を解説し、第2編では実際の開発・運営計画、第3編では投資評価の手法が詳しくまとめられています。第4編では、先進事例研究としてSection L Shimbashi Westが紹介されており、実際の成功事例に基づいた新たな視点を得ることができます。

企業のビジョン

Section Lは、2020年に設立された新しいホテルマネジメント会社であり、長期滞在型アパートメントホテルの運営を中心に、地域との関係構築や独自のサービス提供に注力しています。今後もアパートメントホテルの市場は成長が期待されるため、本書は今後の業界動向を把握する上でも非常に有用な内容となっています。