ストレスと体重増加の深い関係
近年、ストレスと健康状態には密接な関係があるとされ、その中でも体重変化に及ぼす影響が注目されています。この度、株式会社ドクタートラストが2023年度に実施したストレスチェックサービスを元に、約13万人のデータから、ストレスと体重の関係を深堀りしました。
調査についての概要
ドクタートラストのストレスチェック研究所では、264万人以上の受検者データを収集し、得られた情報を用いて様々な分析を行っています。今回の調査は、ストレスチェックを受けた者のうち、1年間の体重変化に関するデータを提供した128,896人を対象とし、ストレスレベルとの関連性を調査しました。
体重とストレスの関係
調査結果から、1年間で5キログラム以上体重が増えた人のうち、実に25%が高ストレスと認定されることが分かりました。特に、ストレスの自覚症状が高い人たちがこの結果を示しており、仕事の負担と周囲からのサポート乏しい状況において、ストレスが増す状況が明確に表れています。
体重変化の詳細
体重変化の結果を見てみると、最も多かった回答は「変わらない(2㎏未満)」で、55.2%を占めていました。次に「やや増えた(2㎏以上3㎏未満)」が17.8%、続いて「減った」14.6%、「増えた(3㎏以上5㎏未満)」が8.2%、「かなり増えた(5㎏以上)」が4.2%という結果でした。この結果からも、ストレスが体重変化に影響を与えていることが明らかです。
疲労感と不安感が影響
調査結果は、体重変化が疲労感や不安感、さらには睡眠時間とも密接に関連していることを示しています。特に高ストレス者率が最も高かった「かなり増えた(5㎏以上)」グループでは、だるさや不安感、気分の落ち込み、イライラなどの症状が顕著であり、対照的に「変わらない(2㎏未満)」グループではその傾向が少なかったことがわかりました。これはストレスが身体に与える影響を考える上で、重要なポイントと言えます。
睡眠不足が体重に与える影響
また、睡眠時間に関するデータも興味深いものでした。「かなり増えた(5㎏以上)」グループでは、平均睡眠時間が5時間未満である割合が約21.8%に達しました。他のグループとの比較では、体重が「変わらない(2㎏未満)」グループの11.6%と約1.8倍の差があります。これにより、睡眠不足が体重に及ぼす影響についても考察の余地があります。
まとめ
この調査から、体重の変化はストレスレベルや睡眠時間、心身の健康状態と密接に関連していることが浮き彫りになりました。生活習慣を見直し、ストレスを軽減することが、健康維持のための鍵となるでしょう。自分自身の健康管理に対して、セルフチェックを行うことが心身の健康を守る第一歩になるのではないでしょうか。
文責:押切愛里(ストレスチェック研究所アナリスト)
YouTubeでの解説動画
高ストレス者は「1年間で体重が5kg以上増えた」と答えた割合が最も多く、低ストレス者は「体重は変わらない(2kg未満)」と答えた割合が最も多かった!ストレスと体重の関係についての詳細な情報は、YouTubeでの解説動画をご覧ください。