アイリスファーマが生成AIを活用した研修システムの導入を決定
東京都千代田区に本社を置く株式会社アイリスファーマは、2025年4月に入社する薬剤師のための研修カリキュラムに、株式会社Sapeetが提供する生成AIロープレシステム「カルティ ロープレ」の導入を発表しました。この決定は、地域医療に貢献し、患者様との良好なコミュニケーションを重視する医療機関としてのアイリスファーマの新たな取り組みの一環です。
導入の背景と目的
アイリスファーマは、患者様に寄り添った「かかりつけ薬局」として、薬剤師が持つ専門知識とコミュニケーション能力を活かし、地域医療の向上を目指しています。このため、同社では実践的な教育環境を整備し、若手薬剤師の専門性と対応力の向上を図ることが急務となっていました。
従来の研修方法では、看護師や患者役の人材が必要であり、教育コストや手間がかかるという課題がありました。そのため、同社はより効率的なトレーニングの提供を検討し、「カルティ ロープレ」の導入を決定。
「カルティ ロープレ」は、AIアバターを用いて様々な患者シチュエーションを再現できる実践型研修システム。これにより、若手薬剤師が現場で直面する多様なケースに備えるためのトレーニングが可能となり、スキルと知識を効果的に習得できることが期待されています。
導入概要と今後の展望
アイリスファーマでは、2025年の新入社員向けにカリキュラムに「カルティ ロープレ」を組み込み、疾患・薬剤に関する基礎知識だけでなく、患者様との円滑なコミュニケーションも重視します。このシステムはシーン設定のカスタマイズが可能で、将来的には2〜3年目の薬剤師にも利用が拡大され、より複雑な対応や高度な服薬指導を学習することが狙いです。
さらにこのシステムでは、薬剤師が患者の隠れたニーズを引き出し、付加的なケアを提供する能力の向上が目指されています。社内での服薬指導の標準化や、優れた事例の共有も促進されることで、患者満足度の向上が期待できるとのこと。
評価と人材育成の新たな可能性
「カルティ ロープレ」は、AIによる客観的な評価も行い、個々の薬剤師のパフォーマンスを明確に可視化していく計画です。初めは評価が低い場合も、アドバイスに従って練習を重ねることで、徐々にスキル向上が可能となります。このため、適切な指導が行われることで、より個別化された人材育成が促進されるのです。
また、このシステムの稼働により、アイリスファーマは全薬剤師に一貫した教育の提供が可能になり、より信頼される薬局づくりにつながると期待されています。
企業の思いと未来への展望
アイリスファーマの藤井宗成専務は、「新卒薬剤師が現場に出る前に実践的な経験を積むことが重要」と述べ、新しい研修システムの導入に強い期待感を示しています。今後は、若手からベテランまで、薬剤師全体がこのシステムを活用し、さらに質の高い薬局を目指していく意向です。
地域医療において頼りされる存在であり続けるために、アイリスファーマは「カルティ ロープレ」を通じて、革新的な人材育成モデルを導入し続けることでしょう。
「カルティ ロープレ」についての詳細
株式会社Sapeetについての詳細は、
こちらをご確認ください。