2024年の「車泊」利用件数が飛躍的に増加!その裏側に迫る
近年、旅行スタイルが変化している中で、特に注目を集めているのが「車泊(くるまはく)」です。2024年には、その利用件数がコロナ前の12倍に達したことが報告されています。このトレンドの背景や、具体的な利用状況を探ってみました。
車泊サービスの特徴
「車泊」とは、単なる宿泊手段ではなく、自然豊かな場所で「車で寝泊まりを楽しむ」体験を重視した新しいスタイルです。利用者は車中で安らぎの時間を過ごすことができ、電源や近くのトイレなどの基本的な設備が整ったスペースを利用します。特に、道の駅や公園など、通常は宿泊ができないスポットでも車中泊ができる点が大変魅力的です。
このサービスは、無人・キャッシュレスでの運用が可能で、時間に縛られない自由な旅を実現します。九州を中心に「RVパークsmart」というブランド名で展開されており、全国に500以上の施設が公認されています。
利用者の動向と特徴
2024年の車泊利用者は13,234組、前年比2,668組の増加が記録されました。これにより、車泊は益々人気を博しており、そのトレンドは今後も続くことが予想されます。利用者の平均年齢は52歳となっており、年間2回以上の利用者が31%を占めています。毎年の訪問が重ねられる中、特筆すべき点は飲食や温泉を目的とする利用が増え、観光目的は減少していることです。
実際、利用者の中には、キャンピングカーを常用している方々が多く、彼らはただ泊まるのではなく、地域の飲食店や温泉を楽しみながら過ごしています。さらに、ペットと一緒に訪れる利用者も38%を超え、愛犬や愛猫と共に旅をするという新しいスタイルが広がっています。
施設が受けた影響と地域振興
自治体や施設管理者からは、RVパークsmart導入後、多くの来客があったという嬉しい声が上がっています。特に九州外からの訪問者が42.5%に達していることも驚きの事実です。これは、車泊サービスが地域経済に与える影響の大きさを示しています。
モニターツアーの実施
2024年9月から11月にかけて、熊本、鹿児島、宮崎の各県でモニターツアーが実施され、カー泊のニーズや地域滞在消費額が調査されました。この研究から、一組あたりの平均消費額は27,556円となり、前年に比べて増加しています。この結果、旅行の費用の大部分が地域特産品や体験に使われることが明らかになりました。
最後に
今後、地域の持続可能な発展を考える上で、車泊サービスの普及は非常に重要です。地域事業者との連携を密にしつつ、観光のおもてなしをどのように組み込んでいくかが課題です。車泊は無人で運営可能という特性を生かしながら、地域との接点をより強化することで、観光体験の質を高める取り組みが期待されています。デジタルを駆使した新しい旅のスタイルと地域の魅力を結び付けることで、より多くの人々に魅力を伝えることが目指されています。今後の展開に注目です。