震災をきっかけに成立した地域との絆、SET受賞秘話
岩手県陸前高田市を拠点に活動する認定NPO法人SETが、地域づくりの優れた取り組みを表彰する「地域再生大賞」において特別賞(ともに創る未来賞)を受賞しました。この表彰は、地方新聞47社と共同通信が主催し、地域活性化や課題解決に尽力する団体や個人を顕彰するものです。受賞式は2026年3月5日に東京で行われ、SETから副理事長の石渡博之が出席し、栄誉を受けました。
若者と地域が出会う機会を創造するSETの活動
SETは2011年の東日本大震災の直後から学生ボランティア活動を開始しました。震災後、多くの学生が陸前高田を訪れ、地域住民との出会いを通じて復興活動に取り組みました。しかし、SETはその出会いを一過性のものとして終わらせるのではなく、持続的な関係構築に発展させました。
具体的には、修学旅行での民泊受け入れや大学生による地域挑戦プロジェクト、地域住民と共に行う協働プロジェクトなどを展開し、都市部と地域との絆を深める「関係人口」を育てています。このような活動を導入することにより、若者と地域住民は互いに学び合い、新たな挑戦が生まれる環境が整いました。
震災を原点に15年間の活動
SETは、震災をターニングポイントとして位置づけており、震災に参加したボランティアの中には、その後も地域との関係を持ち続け、新たな活動を行う者もいます。地域住民と若者が協力し合う中で、新しいプロジェクトが次々と誕生しました。SETの理念は、地域を「支援の対象」とは見ず、未来を共に創るパートナーとして関わることにあります。この関係性を基盤に、どちらも「やりたい」を実現できる環境作りを目指しています。
表彰式での発表内容
受賞式では、副理事長の石渡が15年間の取り組みについてプレゼンテーションを行い、震災後の活動の歩みを振り返るとともに、今後の計画として地域づくりに関する書籍の出版を予定していることを明らかにしました。この書籍を通じて全国各地で地域づくりに努める個人や団体とつながり、知識や経験の共有を進める意向を示しました。
今後の展望
SETはこれまでの経験をもとに、若者と地域が出会い、関係を育む環境づくりを引き続き推進していきます。書籍出版や地域づくりのパートナーとのネットワーク形成を通じて、地域で挑戦する人々が互いに学び合い、より良い未来を共に築く取り組みを広げていく考えです。これからも地域と若者が連携し、新しい未来を切り拓く活動を続けてまいります。
認定NPO法人SETの詳細
SETは「一人ひとりの“やりたい”を“できた”に変え、日本の未来にGoodなChangeを起こす」をミッションに掲げ、2011年から岩手県を中心に地域再生に貢献しています。修学旅行の民泊、大学生・社会人向けプログラム、地域コミュニティづくりを通じて、若者と地域住民との間に生まれる持続的な関係を育むことを重視しています。2024年度には年間5,000人以上が参加し、地域づくりのパイオニアとして全国に影響を与え続けています。