UntroD Capital Asia Pte. Ltd. が運営するリアルテックグローバル2号ファンドは、ベトナムのスタートアップAlternōに新たに出資を行いました。この出資はプレシリーズAラウンドで実施され、アジア開発銀行の傘下であるADB Venturesと連携して行います。ベトナムのエネルギー問題を解決するための重要な一歩です。
Alternōは砂蓄熱技術を用い、特に東南アジア諸国の工業プロセスで求められる安定した熱供給と脱炭素化の両立を目指しています。電力供給が不安定な地域では、化石燃料に依存することが多く、環境問題が懸念されています。ここで注目されるのが、「砂電池」と呼ばれるAlternōの技術です。
砂電池は従来の蓄電池に比べ、低コストで耐久性も優れているため、産業用の熱エネルギー供給に適しています。特に、砂は融点が高く、高温域での安定した熱供給が可能なため、様々な工業用途に対応できます。Alternōは現在、食品加工や飲料業界などで蓄熱ソリューションの導入を進めており、既に数社で実証実験が行われています。
CEOのHai氏は、2022年のガソリン危機を契機に世界のエネルギー問題解決を志し、2023年にAlternōを設立しました。その後、技術開発にはSamsungやABBの元エンジニアが携わっており、多様な分野での応用が期待されています。例えば、ペプシフーズやMyViet社などでは、すでに導入実績があり、普通の工場ラインを大きく変更することなく新たな蓄熱ソリューションを導入できる点が評価されています。
また、今年の「Startup World Cup 2024」ではASEAN地域のファイナリストとして選出され、国際的な評価も受けています。これにより、Alternōは日本国内のお客様からの関心も高まっており、将来的な市場進出が期待されています。
UntroD Capitalは、Alternōの成長を支援すべくさらなる投資や事業展開を加速させる方針です。また、シンガポール国立大学のインターン生の協力を受けて、次世代の投資人材の育成にも注力しており、地域エコシステムの発展にも貢献していく考えです。
このように、Alternōは砂蓄熱技術によってエネルギー問題に挑戦し、持続可能な未来を実現するための革新的なソリューションを提供しています。今後の展開に注目が集まります。