日本オープンイノベーション研究会設立
2025年3月21日、東京都文京区を拠点に、一般社団法人日本オープンイノベーション研究会(通称:JOIRA)が設立されました。本研究会は、経済の発展や国際社会への貢献を目的とし、企業や団体が必要とするイノベーションの支援を行うことを目指しています。
JOIRAの概要
JOIRAは、オープンイノベーションやイノベーションにおける調査・研究、情報収集、人材育成を通じて、企業が新たな価値を創出する土台を構築します。同研究会は、成富一仁氏を代表理事に、さまざまな業界から集まった理事たちが運営に関わります。理事の中には、早稲田大学の教授や、金融グループの役員など、異なる分野での卓越した経験を持つメンバーが揃っています。
標榜する理念と活動
昨今のビジネス環境では、製品ライフサイクルが短くなり、企業は社内のリソースだけでは新たな価値の創出が難しくなっています。こうした中で、JOIRAは、多様な知見や技術をお互いに取り入れるオープンイノベーションを推進することが不可欠であると認識しています。
実際、オープンイノベーションを行っている企業の約71.3%が、業界平均を超える営業利益成長を実現していますが、日本国内での実施率は47%に留まっており、欧米諸国の78%と比較して技術獲得や市場開拓において大きな差があります。JOIRAは、これらの問題を解消するために、オープンイノベーションの活性化を図り、国内外の成功事例や動向を調査・分析して企業が新たな価値を見出すための支援を行います。
設立への期待と展望
JOIRAの設立に寄せる期待の声も多く、サポーターとして名前を連ねる中小企業基盤整備機構の石井芳明部長は、「真のオープンイノベーション」実現のため、さまざまな企業や機関とのwin-winの関係を築くことに期待を寄せています。
さらには、JOIRAは「実務者のためのオープンイノベーションガイドブック」を2025年6月9日に発刊します。このガイドブックはオープンイノベーションの理解を深め、実践のための手引きとなる内容です。250ページにわたり、効果的なイノベーションの実践方法や事例が紹介される予定で、注目されています。
記者会見の開催
設立を記念して2025年5月16日に記者会見も開催されました。この会見では、JOIRAの設立背景や目的についての説明があり、理事たちによるトークセッションも実施されました。成富代表理事は、国内外での先進的な事例や知見を共有し、企業の事業開発や社会的課題解決に貢献する意義を強調しました。
JOIRAは、今後の活動を通じて日本のオープンイノベーション基盤をより一層強化し、企業の競争力を向上させることに寄与したいと考えています。この新たな取り組みが、実際にどのような成果をもたらすのか、今後の展開に注目が集まります。