株式会社東レリサーチセンターの革新技術
株式会社東レリサーチセンター(TRC)は、半導体分野において重要な接合強度の評価技術を発表しました。この新たな分析サービスは、特にハイブリッド接合において、実デバイス内部の接合強度を直接定量化することを可能にします。この技術は、半導体の高性能化が進む中で、接合界面の信頼性を確保するために不可欠です。
半導体とハイブリッド接合の重要性
近年、AIや高性能計算の進展により、半導体はますます高性能化・高密度化しています。特に、チップを重ねて接続する三次元実装技術が重要性を増しています。ハイブリッド接合技術は、金属配線同士の電気的接続と絶縁層の接合を同時に行うことで、より高密度で低抵抗な接続を実現します。しかし、接合界面のサイズがナノ〜マイクロメートルであり、デバイス内部に埋もれているため、接合強度を直接評価することは難しいという課題がありました。
TRCの新技術の特色
従来の接合強度評価法では、単純化されたモデル試料やウェハ端部での評価にとどまり、実際の多層構造やバッファ層を含むデバイス構造を反映した評価が難しかったのですが、TRCの新技術はこれを解決します。TRCは、横浜国立大学井上研究室のナノインデンテーション法に基づく評価手法を実デバイスに適用するため、独自の前処理技術を開発しました。
この前処理技術では、研磨やエッチングを駆使して評価対象となる接合界面を選択的に露出させます。これにより、内部に埋もれていた接合界面の強度をも実際のデバイス状態で評価することが可能になります。
接合強度の評価プロセス
具体的な評価プロセスは次のようになります。まず、試料の接合界面を露出させ、その状態でナノインデンテーション試験を行います。圧子を押し込むことで、接合界面に剥離が生じ、その剥離領域の形状や大きさを観察して定量化します。接合強度が低ければ剥離領域が広がり、高ければ剥離が抑制されるため、この関係性から接合強度を直感的に理解することが可能です。
技術の意義と今後の展望
この新技術の導入により、業界内での期待される成果には、接合強度のばらつきを定量化したり、接合不良が発生する箇所およびそのメカニズムを特定することが可能となります。さらに、接合条件の最適化に対して直接的なフィードバックを行うことができます。TRCはこの技術を通じて、半導体メーカーおよび材料メーカーにおける先端パッケージ技術の開発を支援し、界面評価技術のさらなる高度化を推進していくつもりです。
まとめ
半導体技術の進化に伴い、このような高精度の接合強度評価が可能になることは、製品の信頼性向上に大きく寄与します。TRCは今後も、最先端の技術を駆使した研究開発を進め、業界全体の技術革新を促進していくことでしょう。