ひとり暮らしの防災意識調査2025の結果
株式会社エイブルホールディングスが提供する「ひとぐら」が運営する「ひとりぐらし研究所」が行った『ひとり暮らしの防災意識調査2025』の結果が発表されました。この調査は、コミュニティとしての安全性や個人の防災意識を詳細に理解するために実施され、特にひとり暮らしを送る方々の生活に焦点を当てています。
調査の概要
この調査は2025年8月14日から17日までの間に行われ、国内に住む20歳から49歳までの男女1,614名を対象に実施されました。特に防災の日となる9月1日に結果が発表され、ひとり暮らしの防災に対する意識や行動について多角的に分析されています。
防災バッグの準備状況
調査結果によると、半数以上の参加者が防災バッグを用意していることがわかりました。特にファミリー世帯では53.2%が準備している一方、ひとり暮らしの女性は52.8%、男性は40.8%に留まり、男女間で12ポイントの差が見られました。このことから、自宅で孤立する場合の視点に欠けている可能性が指摘されます。地域別での分析でも、南海トラフ地震のリスクが高い高知や愛知、和歌山などでは防災バッグの所有率が50%を超えましたが、群馬や佐賀、鳥取では45%、佐賀38%といった数値に留まりました。
防災バッグの中身は十分か?
防災バッグを用意した人々に中身を問うと、82.2%が「水・飲料水」を、75.2%が「食べ物」、60.3%が「衛生用品・救急用品」の準備を挙げました。しかし、ひとり暮らし世帯は他の世帯と比較すると、特に衛生関連やライト類の準備が不足しており、その重要性が薄れていると考えられます。災害時には、基本的な生存に加え、衛生管理や光源の確保も命と直結する要因となります。
避難所に対する認識の違い
避難所に関する意識も調査の中に盛り込まれています。ファミリー世帯では、避難所の位置を認識している人は男女ともに50%を超えていますが、ひとり暮らし層では半数に満たない結果が示されました。特にひとり暮らしの男性の認識は最も低く、37.1%だったことが特筆すべきポイントです。この結果は、不安な状況での即時行動を取るための準備不足を示唆しています。
近隣との相互支援の必要性
さらに、地域のつながりに関する調査からは、女性の方がご近所との助け合いの意識が強いことがわかりました。ファミリー世帯の女性49.5%が助け合えると答えたのに対し、ひとり暮らしの女性は26.8%と大きな差が出ました。特にひとり暮らしの男性の場合、助け合いの意識が14.1%と極端に低い現状が浮き彫りになり、地域の支援が不足している実情が見えてきます。
不安感と対策への意識
調査結果では、全体の約7割が何らかの不安を抱えていることがわかり、「とても不安に感じる」との回答が2〜3割に達しました。女性は常に高い不安を感じる傾向にあり、特にファミリー女性の81.9%は精神的なストレスを抱えていると回答しました。一方、ひとり暮らしの男性の中にはあまり不安を感じないとの回答が13.8%を占めています。
防災意識の向上を目指して
全体の調査結果を総合すると、約半数の人々が防災に対する意識を持ち、準備をしていることは肯定的な傾向です。しかし、ひとり暮らし世帯では、助け合いや備品の充実が不足していることが明らかになりました。この機会に、避難経路の確認や防災バッグの見直しを行い、「最低限の備え」から「安心できる備え」へと意識を変え、充実した防災体制を整えていく必要があります。
ひとりぐらし研究所の取り組み
エイブルホールディングスは、今回の調査結果をもとに、ひとり暮らしの防災意識向上を目指し、オリジナル防災グッズの販売を開始します。多様なアイテムを取り揃え、長期保存が可能であることから、安心して使用できます。詳細はひとりぐらし研究所の公式サイトをご覧ください。