コロナ後に増加するPANSとPANDAS
近年、PANS(パンス)とPANDAS(パンダス)という子どもの強迫神経症が急増しています。特にコロナウイルスやその他の感染症がきっかけとなり、子どもたちのメンタルヘルスに影響を及ぼしていることが注目されています。アメリカのクリニックでも、この現象に対する警鐘が鳴らされています。
PANSとPANDASとは?
PANSは「小児急性神経精神障害(Pediatric Acute-onset Neuropsychiatric Syndrome)」を指し、PANDASは「小児自己免疫性神経精神障害(Pediatric Autoimmune Neuropsychiatric Disorders Associated with Streptococcal Infections)」を指します。これらの症状は、特定の感染症や脳の炎症が引き金となり発症することが多く、子どもが特定の事柄に対して強いこだわりや不安を抱くようになります。
PANS/PANDASの症状の具体例
症状の具体例には、次のようなものがあります。
- - 特定の食べ物しか口にしない
- - トイレなど決まった場所を避ける
- - 日常のパターンが崩れるとパニックになる
- - 以前はできた計算や文字の書き方ができなくなる
- - 頻尿やおねしょが増える
- - 音や光、匂いに過敏になる
- - チック症状(まばたきや首を振る等)が現れる
これらの症状によって、子どもは不登校になったり、日常生活に支障をきたすことがあります。
改善に向けての第一歩
PANSやPANDASの治療には、しばしば抗精神病薬が処方されることがありますが、逆効果である場合も多いです。症状の根本的な原因は脳の炎症にあり、食生活の改善や家庭でのケアが重要です。
本書では、PANS/PANDASに苦しむ親子が取るべき6つのステップを提案しています。具体的には、まず子どもの状況を把握し、なぜそのような症状が出ているのかを理解することが重要です。こだわりの背景には何らかの原因があることが多く、これを紐解くことで改善への道が開けます。
具体的なステップ
本書は、以下の章立てで構成されています。
第1章:「うちの子って、どうしてこうなの?」
子どもの特異な行動の裏にある理由を探ります。
第2章:「PANS/PANDASとは何か」
症状の理解を深めることで、適切な対策を考えます。
第3章:「親子でPANS/PANDASをやっつける方法」
具体的な治療方法や家庭内でできる改善策を提示します。
第4章:「こうして子どもは変わりだす」
PANS/PANDASを克服した事例を紹介し、希望を与えます。
著者は、本間良子院長と副院長の本間龍介博士。二人は米国での医療経験を活かし、最新の治療法を日本に応用しています。PANS/PANDASに対する正しい理解と、食生活の見直しが子どもたちの未来を変えるきっかけになるでしょう。
著者のプロフィール
- - 本間良子:スクエアクリニック院長。米国抗加齢医学会フェロー。複数の学会に所属し、最新医療に基づいた栄養指導を行っています。
- - 本間龍介:副院長。医学博士であり副腎疲労の専門家でもあります。教えを受けたウィルソン博士の提唱を隅々まで活かし、実践しています。
書籍情報
- - 書名:PANS/PANDASの正体 こだわりが強すぎる子どもたち
- - 発売日:2024年10月22日
- - 定価:1,760円(税込)
健康で幸せな未来を築くためにも、この症状についての理解を深め、適切な対策を講じていきたいものです。