日本発AIスタートアップが描く海外進出の戦略と挑戦
日本のAIスタートアップ、株式会社ハイヤールーが国内最大級のAIスタートアップピッチコンテスト「HONGO AI 2024」において注目を集めました。このイベントでは、取締役COOの高柴慶人氏が、日本発の企業がどのようにグローバル市場で戦っているのか、その戦略や課題を語りました。今回は、その内容を詳しくお届けします。
ハイヤールーのビジョンと成り立ち
ハイヤールーは、2020年に設立され、エンジニア強化プラットフォームを提供する会社として急成長しています。「Japan as No.1, again.」というミッションを掲げ、日本がかつてのモノづくり大国としての地位を再度確立することを目指しています。具体的には、コーディング試験サービス『HireRoo(ハイヤールー)』を通じて、企業の採用プロセスを支援し、エンジニアのパフォーマンスを最大限に引き出すことを目指しています。
HONGO AI 2024での発言
2023年に「HONGO AI BEST AWARD」を受賞するなど、数々の栄誉に輝いているハイヤールーですが、今回のイベントで高柴氏は、海外進出の理由とその戦略について詳しく都道府県しました。特に、ビッグテック企業並みの採用プロセスを実現するための取り組みや、コアバリューである“ソフトウェアエンジニアのスキル可視化”の重要性について述べました。
「我々は、海外のニーズにも応じたサービスを提供することができると思っています。特に、エンジニア採用においては、スクリーニングと選考のプロセスにおいて明確な差別化を図れると信じています」と高柴氏は語ります。特に彼は、海外市場における競争の中で、サービスがどのように独自の位置づけを持つかが重要だと強調しました。
海外市場へのアプローチ
ハイヤールーは、海外進出にあたる市場構造の理解を重視しています。日本のソフトウェア産業は特有の構造を持ち、65%がSIer(システムインテグレーター)に依存しているのに対し、アメリカでは逆に事業会社の割合が高くなっています。「この市場構造の違いを理解することが、海外展開において肝要である」と高柴氏は述べ、その上で特に東南アジア市場が日本と類似している点にも着目しています。次なる進出先として東南アジア市場をターゲットにする理由を詳述しました。
成功するための戦略
高柴氏は、将来的な成功を果たすためには、ニッチな戦略とポジショニングの重要性を口にしました。特に大きな市場がある中で、特定のセグメントに集中することが、競争優位を築く鍵だとしています。この観点から、文化や市場特性を理解することも重要であり、進出先の国における製品やサービスの適合性を高める必要があります。
「日本での成功をもってしても、他国で同様の成功を収めるのは簡単ではありません。文化の違いや市場のダイナミクスを理解する必要があります」と強調し、経営者としての決断が重要であることを示唆しました。日本の企業がCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)を活用し、海外市場に進出するパートナーシップの形成も、成功の一端を担うと考えています。
高柴慶人のプロフィール
高柴慶人COOは、ソフトウェアエンジニアとしての経験を積んだ後、2018年にLINE株式会社に入社。その後、フィンテック企業においてGlobal PdMとして活躍し、最終的にハイヤールーに参画しました。彼のリーダーシップのもと、ハイヤールーは日本企業の海外進出を支援するための戦略を既に展開しています。
まとめ
ハイヤールーの挑戦は、日本のAIスタートアップ業界に新たな風を吹き込んでいます。高柴氏の計画が成功し、日本が再度グローバルなIT市場での地位を確立する日も近いかもしれません。今後の展開が楽しみでなりません。