四足歩行ロボットが東京駅で実証実験をスタート
JR東日本ビルテック株式会社(本社:東京都渋谷区、社長:阿部亮)は、9月10日から東京駅において四足歩行ロボットの実証実験を開始しました。この取り組みは、同社がTechShare株式会社(東京都江東区社長:重光 貴明)と共同で実施し、首都圏の駅を対象に広がりを見せることが期待されています。
1. 四足歩行ロボットの概要
この四足歩行ロボットは、unitree社の「Go2-W」とTechShare社の自立歩行制御ユニット、3D Field Navigator「PatRobot」で構成されています。これにカメラや3D LiDARを搭載し、設定された巡回ルートに沿って自立的に走行し、通路や設備の状態を記録することが可能です。将来的には、さらなる設備異常の早期発見や点検業務の効率化にも貢献が期待されています。
2. 取り組みの概要
従来の人による目視点検は、予定のルートを巡回するだけではなく、異常を見つけ出すことが目的でした。しかしながら、ロボットの場合は人間のように自由に動けません。それ故、事前に記憶させた経路を歩かせることで、目視では得られない精度の高いデータを取得することができます。これにより、点検作業の質や効率が向上することを目指しています。
また、人による点検には、知識や経験の差が影響するため、結果にばらつきが生じることがあります。そのため、ロボットの導入により、点検結果の平準化を図ることも目的の一つです。安定した情報の取得が求められる現在、ロボットが点検業務において価値を持つことが期待されています。当社は、ロボットが人に近づく形で点検を行う未来を目指し、最新技術の活用と運用体制の構築に取り組んでいます。
3. 導入の背景
施設管理を事業とするJR東日本ビルテックは、四足歩行ロボットを用いた点検が不可欠な時代が来ると考え、取り組みを進めてきました。その背景には、労働力の不足と安全・安心の維持という課題があり、この技術を導入することで、駅の維持管理の持続可能性を高めることを目的としています。
実施においては、鉄道業界での導入実績が少なかったTechShare社と協力し、駅の建物構造に四足歩行ロボットが適していることを見越し、実証実験に踏み切りました。同社によれば、駅建物の構造には急激に変化しない点と高低差が大きいことから、ロボットの自立走行に適しているとのことです。
また、特に専門知識を必要とする分野であったため、自社でプログラムを組まなくても稼働可能なロボットを探していたところ、TechShare社が開発したユーザーインターフェースを持つロボットが提供され、導入に至ったといいます。これからも未来の設備点検に向けて、この取り組みは続けられる予定です。今後の展開にぜひご注目ください。
会社概要
TechShare株式会社
- - 代表者: 重光 貴明
- - 所在地: 東京都江東区東陽5-28-6 TSビル
- - 設立: 2012年1月
- - 事業内容: ロボットアーム事業、UGV/AGVや電動4足歩行ロボットの移動、センサーの販売等
- - URL: TechShare公式サイト
お問い合わせ先
JR東日本ビルテック株式会社
ファシリティマネジメント変革本部技術変革部
[email protected](担当:志村)