「花巻食と農の推進協議会」総会の報告
2023年7月9日、神奈川県横浜市のパルシステム神奈川新横浜本部において、「花巻食と農の推進協議会」の第17回通常総会が開催されました。この協議会は、花巻農業協同組合、パルシステム神奈川、パルシステム生活協同組合連合会、花巻市といった組織が連携して、地域の食と農の発展を目指しています。
生産者と消費者の連携
総会では、2024年度に田植えや稲刈りなどの農業体験会を実施することが報告されました。これにより生産者と消費者が直接交流することで、相互理解を深めることを目指します。また、2025年度の事業計画では、地域の魅力や農業の重要性を広め、米の美味しさを伝える活動が提案され、全議案が全会一致で承認されました。
今後の方向性
花巻農業協同組合の髙橋利光組合長は、米の持続可能な生産が必要であり、地域の結束を強めることが重要であると強調しました。「私たちは日本の食を支える役割を担っています。皆さまと協力して、食の安全を守りながら、持続可能な農業を目指します」と述べました。
続いて、花巻市の農林部長である菊池正彦氏は、米の需給バランスの重要性を語り、生産者側からの意見を国に伝えていくことの必要性を訴えました。彼は、「消費者に安心・安全な農産物を提供するために、農業経営の安定化に努めます」と述べました。
生産における課題
総会終了後には、生産者の観点から米の在庫不足や価格上昇の問題が議論されました。「長年安価だった米も、ようやく生産が安定する価格に近づいていますが、人手不足や経費の高騰が依然として課題です。消費者の理解と支援が不可欠です」との意見が表明されました。
加えて、地球温暖化の影響で最近の高温障害が米の収量に影響を及ぼしていることも報告されました。生産者たちは多様な対策を講じていますが、一地方の努力だけでは解決が難しいと感じているようです。
持続可能な農業のビジョン
協議会は2008年に設立され、地域支援を目的とした活動を続けています。生産者と消費者が協力し、持続可能な農業と消費を実現し、心豊かな生活空間を創造することを目指しています。
具体的な取り組みとして、花巻農業協同組合の田んぼで年中様々な体験会が開催されており、利用者はぼ作られた米を通じて地域農業を応援しています。また、化学肥料や農薬を使用しない「エコ・岩手ひとめぼれ」を消費することで、産地との良好な関係を築いています。
未来への期待
花巻の地域づくりは、今後もパルシステム神奈川や協議会に参加する様々な組織とともに進められます。2025年には国際協同組合年が迎えられることもあり、この機会を利用して地域の価値を再認識し、持続可能な農業を目指すことが期待されます。
協議会の活動は、地域の活性化のみならず、日本の食文化を支える強い後ろ盾となるでしょう。生産者と消費者が一体となり、より良い未来を築いていけることを願います。