2025年1月、東京・日本橋高島屋S.C.では、令和6年能登半島地震の影響を受けた輪島塗をテーマにした特別なイベント「輪島塗を未来にTSUNAGU」が開催されます。このイベントは、1月8日(水)から14日(火)までの間、本館1階の正面イベントスペースで行われ、訪れる人々に輪島塗の魅力とその歴史を再認識させる機会となることでしょう。
2024年には能登半島を襲った地震が、伝統工芸の重要な拠点である輪島に大きな打撃を与えました。多くの工房が被害を受け、職人たちの作品も次々と壊れてしまいました。この厳しい現実に直面しながらも、輪島塗の伝統を守るために、新たな道を模索する動きが始まっています。これが、このイベントの根底にある精神です。
「輪島塗を未来にTSUNAGU」では、震災の影響を受けた商品が展示・販売されるだけでなく、その中で生まれた新たな作品も数多く紹介されます。例えば、田谷漆器店が手掛けた金繋ぎシリーズは、震災後に破損した器を金継ぎ風に修復したもので、復活した器の美しさを体験することができます。このように、かつての形を取り戻した作品には、ただの復興の意味を超えた、時を超えた価値が込められています。
また、輪島キリモトの「Rescue & Reborn」と題された作品は、災害によって生まれたゴミから新たに作られた器です。古きものと新しきものが交代し、伝統が形を変えて続いていく様子を感じることができるでしょう。これらの作品は、震災後の創造力と技術の賜物です。
さらに、プロジェクトの一環として、輪島塗と九谷焼とのコラボレーションによって生まれた新作も展示されます。多くの職人が工房を失った中で、いかに技術が受け継がれ、新たな形で復興に向けた試みが行われているかを伝える重要な機会です。
このイベントでは、石川県立輪島漆芸技術研修所における人間国宝の指導のもと、次世代の新たな担い手となるべく育成された作家たちの作品も登場します。震災後の復興に寄与することを目指して、彼らは新しい試みを行っています。これを通じて、若き才能の輝きも見つけることができるでしょう。
この特別なイベントにぜひ足を運び、輪島塗の豊かな歴史とその未来を感じていただければと思います。伝統工芸の力強さ、そして人々の思いに触れることができる素晴らしい機会です。日本橋高島屋へのアクセスは、公式ホームページをチェックしてお気軽にお越しください。お問い合わせは、03-3211-4111(日本橋高島屋代表)まで。