障がい者の雇用を推進する財団支援の新たな一歩
一般財団法人社会変革推進財団(SIIF)は、一般社団法人ソーシャル・イノベーション・パートナーズ(SIP)と共に設立した「日本ベンチャー・フィランソロピー基金」(JVPF)を通じて、一般社団法人ローランズプラスに対し、2025年2月からの3年間で合計3,000万円の資金提供と経営支援を始めることを発表しました。この支援は、障がい者の雇用促進を図り、社会的な課題を解決するための重要なステップとなります。
日本では、障がい者の就労可能人口が356万人に及ぶものの、その約85%は未就労の状態です。企業における障がい者雇用が進展しない理由として、業務負荷の増加や企業内での適切な役割の不足、そして障がい者サイドでの自信不足やサポート体制の不備が挙げられます。このような背景を受け、ローランズプラスは共同雇用制度を導入した「ウィズダイバーシティ有限責任事業組合(WDLLP)」を設立しました。
WDLLPは、障がい者が複数の企業で働くことで多様な就労機会を提供し、スキル向上へとつなげる取り組みとして注目されています。これにより、中小企業が障がい者雇用を実現しやすくなり、現在15社がこの組合に参加しています。特筆すべきは、WDLLPが日本初の「事業協同組合等算定特例」として認定されている点です。
加えて、ローランズ社はフラワーギフトやブライダル、空間緑化、カフェ事業など多岐にわたる事業を展開し、障がい者に対する雇用機会の提供を行っています。現在、同社で活動する約100名の従業員のうち、約70%は障がいや難病と向き合う当事者たちであり、実際に新しい形の職場作りを通じて社会の理解を広げています。
この支援によって、SIIFは障がい者の就労機会を増やし、社会への参加を促進させることを目指しています。また、企業側においても雇用環境の改善や多様な人材の活用が進むことが期待されています。資金提供のほかにも、月次報告や年次事業計画の作成、専門的な支援を通じて、ローランズプラスの成長を後押しします。
今後もこの取り組みは、持続可能な社会の構築に向けた重要な活動として位置付けられており、障がい者の就労促進が社会的なインパクトを持つことが期待されています。
ローランズプラスは、2016年に設立され、東京都渋谷区に本社を構えています。この組織は、「みんなみんなみんな咲け」というスローガンのもと、フラワーギフトやブライダル装飾サービスを通じて、障がいを抱える方々が多様なスキルを活かせる環境作りに尽力しています。今後も、このような新しい試みを通じて、障がい者と社会との架け橋となる活動を実施していくことでしょう。