Teamshares日本進出
2024-02-21 09:30:33
米スタートアップTeamsharesが日本市場へ進出、従業員による事業承継を推進
Teamsharesが日本市場に進出
事業承継の新たな選択肢を提供するスタートアップ、Teamshares Inc.が日本市場への進出を発表しました。この米国発の企業は、株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)のコーポレートベンチャーキャピタルであるMUIPからの資金調達を受け、新たに東京に法人を設立しました。
従業員承継モデルの導入
Teamsharesは2019年に設立され、主に中小企業の後継者不足を解消するための「従業員承継実現モデル」を推進しています。このモデルは、会社を従業員が所有する形にすることで、安定した経営を可能にし、長期的に成長を支えます。具体的には、経営が安定した中小企業を退職を控えた事業主から買い取り、20年をかけて従業員の持ち株比率を80%に増加させるという仕組みです。これにより、企業は安定的に運営を続けられ、従業員には経営に対する責任感と貢献意識が芽生えます。
これまでに米国内で31の州と42の業界において90社を買収し、2500名以上の従業員オーナーを生む実績を上げています。日本への進出は、この実績を基にした新たな展開といえます。
日本市場における課題
一方、日本では経営者の高齢化や資金負担の増加、事業承継の準備不足などが問題視されています。2025年までに全国の中小企業で、平均引退年齢が70歳を超える経営者が245万人に達し、その中で後継者が未定の経営者は約半数にのぼると推測されています。後継者不足が進むことで、経営が良好な企業も存続の危機に直面する可能性が高まります。
Teamsharesは、こうした問題に対する解決策を提供することを目指しています。そのために、特に地方企業に焦点を当て、地域経済を支える重要なリーダーとしての役割を果たす企業を守る取り組みが期待されています。
共同創業者のコメント
TeamsharesのCEOマイケル・ブラウン氏は、「日本と米国の事業承継の課題には多くの共通点があり、高齢者の退職に伴う後継者不足が大きな問題だ」と述べています。また、日本市場への進出による全ての関係者にとっての最善の結果を生むことを信じています。
さらに、共同創業者で日本代表のケビン・力雄・椎葉氏は、自身のルーツでもある日本に貢献できることを喜びとし、現地ニーズに応じたビジネスモデルを提供することに尽力しています。彼は、「中小企業は日本経済の基盤であり、事業主の引退後も存続すべき」と強調し、従業員が企業の伝統を受け継ぐ重要性を訴えています。
MUFGの戦略的支援
MUFPのシロマニ・マヤンク氏もこの取り組みを評価し、金融とテクノロジーを組み合わせて社会課題の解決に取り組む姿勢を示しています。Teamsharesのモデルは事業主と従業員双方に利益をもたらし、事業承継の最適な解決策となり得るという考えです。
このように、Teamsharesの日本市場進出は、従業員による事業承継の普及を図りたいという強い願いのもと、今後の成長が期待される取り組みです。市場のニーズを捉え、地域および中小企業において持続可能な経営モデルを導入することで、日本の事業承継問題に新たな風を吹き込むことができるでしょう。
会社情報
- 会社名
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Teamshares Inc.
- 住所
- 214 Sullivan Street, Suite 6B New York, NY 10012
- 電話番号
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