名糖運輸、冷蔵冷凍EVトラックで未来の物流へ挑戦!
SGホールディングスグループ傘下の名糖運輸株式会社は、同社初となる冷蔵冷凍EVトラックを導入し、運用を開始しました。この取り組みは、カーボンニュートラルの実現と、深刻化する物流2024年問題への対応という、二つの大きな課題への挑戦です。
カーボンニュートラルに向けた積極的な取り組み
C&Fロジホールディングスは、気候変動問題を重要な経営課題と捉え、2030年までにCO₂排出量を2021年度比38%削減、2050年までにカーボンニュートラルを目指しています。運輸業界はCO₂排出量において大きな割合を占めており、その削減は喫緊の課題です。BEV(バッテリー式電気自動車)はゼロエミッションですが、航続距離の短さが課題でした。しかし、名糖運輸は小売業向け配送など、走行距離が比較的短い業務にEVトラックを導入することで、この課題を克服しようとしています。
今回導入されたのはいすゞ自動車のELF-EV。年間CO₂排出量をディーゼル車と比較して21%削減できる見込みです。西東京物流センターの電力供給が再生可能エネルギーではないため、削減効果は限定的ですが、今後、電力プランの見直しや太陽光発電設備の導入で、更なる削減を目指します。
物流2024年問題への対策も万全
EVトラック導入は、環境問題への対応だけでなく、深刻化する物流2024年問題への対策にも繋がります。ドライバーの労働時間規制強化により、輸送能力不足が懸念される中、作業効率の改善は必須です。
東プレ製の冷凍装置は、特許技術である庫内乾燥モードを搭載。従来は数時間かかっていた庫内乾燥を最短60分で完了できるため、ドライバーの作業負担を軽減し、労働時間の短縮に貢献します。また、復路に常温輸送が可能になることで、効率的な運行も期待できます。
未来への展望
名糖運輸は、このEVトラックの運用を通じて、走行データや充電データなどを収集・分析。コールドチェーンにおけるBEVの実用性や、カーボンニュートラルへの効果を検証し、持続可能な低温物流の実現を目指します。この取り組みは、物流業界全体の進化に大きな影響を与える可能性を秘めています。
導入車両概要
シャーシ:いすゞ自動車株式会社 ELF-EV ワイドキャブ 最大積載量3トン
ボデー:東プレ株式会社 FRP製コンテナ簡易式2室
* 冷凍装置:東プレ株式会社 EV対応電気式冷凍装置
名糖運輸の挑戦は、環境保全と物流効率の両立を目指す、未来の物流の姿を示すものと言えるでしょう。今後の展開に注目が集まります。