北三陸ファクトリーの挑戦
岩手県洋野町に本社を置く株式会社北三陸ファクトリーは、代表取締役の下苧坪之典氏が「食の未来を輝かせる25人」に選出されたことを発表しました。この選出は、大阪で開催された「関西万博」のシグネチャーパビリオンである「EARTH MART」と、グローバルビジネス誌「Forbes JAPAN」による共同企画によるもので、特に水産業の新たな取り組みが評価されています。
食の未来を輝かせる25人とは?
この企画は、今の社会が直面している食の課題に立ち向かい、希望の持てる未来を創造することを目的としています。選ばれた25人には生産者や料理人、研究者などが含まれており、まさに食文化を変革する人々が集められています。下苧坪氏の選出は、北三陸ファクトリーが海洋環境の再生とサステナブルな食の両立を目指していることから評価された結果です。
ウニ再生養殖を実現するUNI-VERSE systems®
北三陸ファクトリーの革新的な取り組みの一つが「UNI-VERSE systems®(ウニバースシステム)」です。このシステムは、海洋環境再生とサステナブルな食を目指し、北海道大学と共同で開発されたウニの短期実入改善技術です。この技術には、世界で唯一のウニ専用の餌や、ウニが食べないカゴといった特許技術が含まれています。この結果、短期間でのウニの養殖が実現しました。
磯焼けの解決へ向けた貢献
近年、海藻が消失し海が砂漠化する「磯焼け」が深刻な問題となっています。この問題に対抗するため、北三陸ファクトリーは「UNI-VERSE systems®」を使い、駆除されたウニを短期間で高品質なウニへと加工。これを通じて、海洋環境の回復にも寄与しています。消費者がウニを購入し、美味しく味わうことで、海の環境問題に貢献できるという新たな循環が生まれているのです。
代表の下苧坪之典氏の想い
下苧坪氏はこの選出に対し、「光栄に思う」と表明し、次世代への豊かな海の恵みを継承することが彼らのミッションであると強調しました。また、ウニ再生養殖技術の国内外での展開や、高品質のウニの海外販売、さらにはサーキュラーエコノミーの推進を目指し、協力者との連携をより強化していく意向を示しました。
北三陸ファクトリーについて
北三陸ファクトリーは、「うに牧場®︎」を有し、持続可能な水産業をリードする企業です。設立以来、世界の海を豊かにすることを目指して革新的な技術を取り入れ、高品質なウニの育成に努めてきました。今後は更なる国際展開を進め、新たなビジネスモデルを構築していく予定です。
2023年にはオーストラリア法人も設立し、地域を超えた事業の拡大にも注力しています。北三陸ファクトリーの挑戦は、食文化や環境問題への貢献の一環として、今後も注目を集めることでしょう。