金融庁が警鐘、偽造カードやネットバンキングの不正被害が急増中
金融庁が発表した偽造キャッシュカードとネットバンキングの被害状況
金融庁が2023年2月に発表した報告によると、偽造キャッシュカード、盗難キャッシュカード、またはインターネットバンキングを利用した不正な預金引き出しが急増しているという。金融機関からの情報を基に、偽造カードや盗難による被害の発生状況や補償の実施状況に関するデータがまとめられた。特にインターネットバンキングの不正送金が顕著に増加している。
フィッシングサイトの手口
最近の不正送金の多くは、メールやSMS、メッセージアプリを通じて誘導されるフィッシングサイトによるものだ。この手法では、ユーザーのIDやパスワードが巧妙に盗まれてしまう。気をつけるべきは、公式なサイトであるかどうか確認することである。常に自身のアカウントへは公式ページから直接アクセスすることが推奨されている。
キャッシュカード窃取の手口
キャッシュカードの盗難による被害も目立つ。警察官を装った人物が訪れてキャッシュカードを取得する事例や、利用者が目を離した瞬間にカードをすり替える手口が報告されている。これらの手口を防ぐためには、警告を発している通報や確認が不可欠だ。
被害状況の詳細
特定の期間における被害件数を見てみると、たとえば令和6年度の上半期においては偽造キャッシュカードによる不正引き出しが7,681件、盗難キャッシュカードにおける件数は143,267件に上った。また、インターネットバンキングに関連した被害も22,617件に達している。
補償状況
金融機関による補償についてもデータが整理されている。偽造キャッシュカードのケースでは、全体の95.9%が補償されたが、盗難キャッシュカードの場合、補償率は57.2%であった。さらに、盗難通帳に関しては41.3%が補償され、インターネットバンキングは79.4%の補償が確定している。補償されない理由としては、利用者の過失や請求取り下げが目立っている。
今後の対策
金融庁はこれらの状況を受けて、一般市民に対するさらなる注意喚起や教育を徹底する方針を示した。金融機関や利用者自身が互いに協力し、詐欺行為を未然に防ぐことが求められている。セキュリティの強化やデジタルリテラシー向上が、今後ますます重要になってくるだろう。例えば、不審なメールを受け取った場合には、なんらかの公式連絡を経て確認を行うことが推奨される。金融庁への相談窓口も設けられており、詐欺被害の早期発見や救済に向けた手段が提供されている。
利用者が自らの金融情報をいかに安全に守るかが、今後の大きな課題である。知識を持った上で行動することが、個々の安全を守る第一歩となるだろう。