注目されるセットアップオフィスの特徴
最近のオフィス移転において、セットアップオフィスが大きな注目を浴びています。このオフィス形態は、ビルオーナーが予め内装工事を施した状態で貸し出すもので、契約開始直後から業務を開始できる利便性が大きな魅力です。
セットアップオフィスには、大きく分けてフルセットアップとハーフセットアップの2つのスタイルがあります。フルセットアップでは間仕切り壁や什器が完備されており、すぐにでも新たな環境での業務を始めることができます。一方で、ハーフセットアップは間仕切り壁のみを提供し、什器はテナント自らが用意するスタイルです。このように、セットアップオフィスは通常オフィスとフレキシブルオフィスの良いところを兼ね備えた形態となります。
セットアップオフィスの賃料プレミアム
東京都心5区では、フルセットアップは通常オフィスよりもプラス5,000円/坪、ハーフセットアップでは2,000~3,000円/坪が一般的です。特にハイグレードな内装や什器を備えた区画は賃料プレミアムが10,000円を超えることも珍しくなく、選択肢の幅が広がります。
コストメリットの実情
セットアップオフィスには、内装工事や原状回復工事のコストを大幅に削減できるというコストメリットがあるため、特に2~5年という短い賃借期間のオフィスには理想的です。特に入居と退去の際に掛かる工事にかかる時間とコストが短縮されることで、業務を円滑に行うための有効な選択肢となります。
セットアップオフィスの供給状況
供給エリアとしては、千代田区や中央区などの東京都心5区が中心です。特に、1フロアあたり50~200坪の中型・大型ビルでの供給が活発で、最近では数百坪の大規模なセットアップオフィスの供給も増えています。ただし、100坪以下の面積帯での募集区画が多いため、一般的なオフィスよりも選択肢を見つけやすい環境と言えます。
注意が必要な退去時の原状回復
ただし、セットアップオフィスを選ぶ際には退去時の原状回復工事の条件についても確認が必要です。契約条件によっては、クリーニングだけで済むこともあれば、タイルカーペットや壁紙の張替え、什器の入れ替えが必要になることもあります。これにより、原状回復にかかる費用が大きく変わるため、契約時の詳細確認が非常に重要です。
オフィス移転における新たな課題
現在、資材価格と労務費の高騰により、建設工事のコストが上がる傾向が続いています。人手不足も影響し、工事期間も長期化していることから、オフィス移転時のコストと工期が従前に比べて増加しています。この状況は今後も続くと予想されており、業界全体に影響を与えています。
アナリストの視点
従来は短期間で移転するベンチャー企業が主要な需要層でしたが、今では早期入居やコスト削減を望むテナントにとっても魅力的な選択肢となってきています。セットアップオフィスはテナントとビルオーナーの双方にとって収益性を高める手段として期待されており、今後も需要が拡大していくでしょう。特に中小規模のビルでは一般的な選択肢として定着することが考えられます。
三幸エステートについて
三幸エステート株式会社は1977年に設立され、オフィス戦略を総合的にサポートしています。ワークプレイスの提案から賃貸オフィスビルの選定支援、マネジメント機能の提供まで幅広く対応しており、オフィスに関するニーズに応えています。オフィスにおける新たな選択肢としてのセットアップオフィスの魅力をたっぷりとお伝えしました。今後のオフィス移転を考える際には、ぜひ考慮に入れてみませんか?
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