2025展示II 「四条派ですが、実は─ 詩情派。呉春」を開催
公益財団法人阪急文化財団が運営する逸翁美術館が、大阪池田にゆかりのある画家、呉春の魅力を一堂に展示する特別展「四条派ですが、実は─ 詩情派。呉春」を開催します。この展覧会では、自然や人々の生活を題材にした呉春の作品が多角的に楽しめるとともに、彼の美術史における位置付けを考察します。
呉春の人生と作品の背景
呉春は、京都で生まれ、与謝蕪村に俳諧と俳画を学びました。その後、大阪池田に一時住まいを構え、自然界の営みや人々の日常に目を向けながら「呉春」と名乗ります。彼は再び京都に戻り、円山応挙から写生画を学ぶ中で、多くの魅力的な作品を生み出しました。それは、呉春が持つ叙情性と写実性の融合によって実現したと言えるでしょう。
本展では、呉春の作品を美術史だけでなく文学史の観点からもアプローチし、彼の独自の作品世界を解き明かします。この機会に、視覚だけでなく、文学的な感性も刺激されることでしょう。
展覧会詳細
会期: 2025年4月12日(土)~6月15日(日)
前期: 4月12日~5月11日
後期: 5月16日~6月15日
休館日: 毎週月曜日(ただし5/5は開館、5/7は休館)
会場: 逸翁美術館(大阪府池田市栄本町12-27)
観覧料: 一般700円、学生500円、中学生以下は無料
開館時間: 10:00~17:00(入館は16:30まで)
関連イベントの紹介
この展覧会に合わせ、以下の関連企画も実施します。
- - 講演会: 5月10日(土)14:00~15:30
「呉春の文学的世界」
近畿大学文芸学部 教授 井田太郎氏による講演。
- - 鑑賞講座: 4月27日(日)14:00~15:30
「呉春作品における詩句と絵画とのレゾナンス」
阪急文化財団 上席学芸顧問 仙海義之。
いずれも無料(要当日観覧券)、定員80名の先着順。
また、館内には椅子式の茶室「即心庵」があり、呈茶体験も可能です。展示会期間中の日曜日に、オリジナルのお菓子と日本茶を楽しむことができます。
重要文化財の展示
本展の目玉となる作品には、重要文化財の「白梅図屏風」や「騎馬狩猟図」など、全80点が前期・後期で展示替えされます。特に、雪月花をテーマにした作品は見る価値があります。
逸翁美術館について
逸翁美術館は、阪急阪神東宝グループ創業者小林一三の雅号を冠した美術館で、1957年に開館しました。2009年に現在の場所に移転し、国指定の重要文化財や美術品を含む多彩なコレクションを所蔵。美術品を鑑賞できるだけでなく、茶室での呈茶による文化体験も楽しめます。
この機会に、詩情豊かな呉春の作品に触れ、彼の生きた時代や文化を体感してみてはいかがでしょうか。一味違った展覧会をお楽しみください。